the brilliant green 1st Single「Bye Bye Mr. Mug」
1997年9月21日発売
1997年、まだシングルCDが8cmCDの作品が多かったこの時代に全曲英語詞の4曲入りのマキシシングルをデビュー作としてリリースする尖りに尖った方法でメジャーデビューを飾ったthe brilliant green。
次回作も同じように4曲入り英語詞のシングルをリリースするも売り上げなどから「これではアカン!」と判断されたのか、さらに次のシングルはドラマタイアップ、初の日本語詞、8cmCDといういかにも普通な売り方で大ヒット。いやあ、やりたいことをやるにはまず名前を売るのが重要というのが思い知らされます……。
そんな経緯もあってこの作品と次回作の2枚はオリジナルアルバムに一切収録されず、シングルというよりかはミニアルバム的な趣の作品なのでアルバムと同じように単品で記事にしてます。
1. Bye Bye Mr. Mug ★★★★☆
(作詞:川瀬智子/作曲:奥田俊作/編曲:the brilliant green)
いかにもブリティッシュロックですよ~というような乾いたエレキが印象的なタイトル曲。4曲の中では圧倒的にシングル向きというかキャッチーなメロディになるように書かれている印象があります。日本語で歌ってないのでいまいち歌詞がわからないって思うけどサビ頭がタイトルなんで何となく口ずさめますからね。
1番終わりから長い間奏ギターソロ(これがいいのよ、すごいのよ)を挟んだと思ったらプライマリーブリッジに飛んでそのままラスサビへ、何なのデビュー曲にして悟り開きすぎじゃないこの構成? それでもってなんか足りないなーって感覚はないからね。英語詞なんでそりゃ知名度のないバンドのデビュー曲としてはウケないだろうけど名前売ってからだと普通にいけたでしょこれ……。
2. sunny mood shirt ★★
(作詞:川瀬智子/作曲:松井亮/編曲:the brilliant green)
イントロのベースフレーズを聴け的な曲。とは言っても薄味が過ぎる。4曲の中で唯一ギターの松井さん作曲ですがたまに出てきてめっちゃくせのある面白い曲を置いていくので存在としては非常に大事、でした。この曲は個人的に刺さってないけど。
3. love baby ★★☆
(作詞:川瀬智子/作曲:奥田俊作/編曲:the brilliant green)
セブンスコードにインパクトを感じる。イントロの「タタラタラー(ry」ってコーラスもなんかやたら耳に残るし。川瀬さんは川瀬さんでめっちゃだるそうに歌うし。ってわりといつもかな?
4. GREEN WOOD DIARY ★★★
(作詞:川瀬智子/作曲:奥田俊作/編曲:the brilliant green)
これをエンディングに持ってくるのは正解。一番こざっぱりとしてて、かといってあっさりしすぎるでもない絶妙に強めのメロディでエンドロール感があっていいですね。
個人的評価 ★★★
このシングルはもうほぼ表題曲ばっかり聴いてます。それならベスト聴いてりゃええがな。でもたまに1枚通して聴いてみると4曲しかないというのもあって起承転結がしっかりしてるというかめちゃくちゃ聴きやすいんですよね、ある種聞き流しやすくもある。ドライブなんかにはすごくいいんです。結局『THE WINTER ALBUM』ばっか聴いてるけど。
GARNET CROW Singles 1st~6th
アルバム未収録作品はタイトル色を青色にしています。
別バージョンがアルバムに収録済みの曲は水色にしています。
1st Single「Mysterious Eyes」
2000年3月29日発売
1. Mysterious Eyes ★★★
メジャーデビューシングルとしていきなりコナンオープニングのタイアップ付きでドーンとデビュー。なんというかさわやかですよね。この曲を聴いてシングルやアルバムを手に取ってみた人はたぶん人によっていろんな意味で裏切られたんじゃないかな……。リアルタイムでは全然知らなくて後追いだからこそこういう側面もある、程度の認識なんですけど。
Mysterious Eyes (日本テレビ系アニメ「名探偵コナン」オープニングテーマ)
- アーティスト: 古井弘人,AZUKI 七,GARNET CROW
- 出版社/メーカー: GIZA studio
- 発売日: 2000/03/29
- メディア: CD
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2nd Single「君の家に着くまでずっと走ってゆく」
2000年3月29日発売
1. 君の家に着くまでずっと走ってゆく ★★★★
(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:Miguel Sá Pessoa、古井弘人)
デビュー作のもう1枚はインディーズ曲のリアレンジ、どちらかというとカップリング曲のような役割のシングルですね。ピザ食べる曲。
2. in little time ★★★★★
(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:Miguel Sá Pessoa、古井弘人)
こちらも音数少なめの落ち着いた曲。ていうかなんでこの曲はこんなとこに突っ込んだの? シングルにするにはインパクト的には弱いところもあるけどアルバムの重要な位置に置かれても全くおかしくないの曲。リズムはパーカッションとうっすら入るベースのみでドラムの入ってない曲って実はこの曲くらいなんじゃないかと思う。ピアノとシンセ、あと声で盛り上がりをしっかりつくってます。てかギター入ってない、岡本さんはいずこ。そして歌詞は暗い、悲しさとともに強さも感じさせる内容かなと思います。歌詞カードには実際には歌われていない「きっと果てるのいつの日にか in little time」という一節があってかえって印象に残ります。
- アーティスト: GARNET CROW,AZUKI 七,ミグエル・サ・ペッソア,古井弘人
- 出版社/メーカー: GIZA studio
- 発売日: 2000/03/29
- メディア: CD
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3rd Single「二人のロケット」
2000年5月17日発売
1. 二人のロケット ★★☆
上記2シングルから1ヶ月半でリリースしたのはインディーズアルバムからシングルカットした曲。純粋な形でのシングルカットはこの曲がキャリア唯一ですね。「とりあえずなんかシングルだしとけ」はないこともないというか、まああのアルバムから切るのはこの曲が妥当でしょうね。他はシングルで出すには地味というか伝わりにくい。
2. 未完成な音色 ★★★☆
相変わらずカップリングにパワーのある曲を突っ込んでくるスタイル。この後に出ることになるアルバムから考えたら意外なんですけどアコギが使われてないです。エレキのツインですね。初期の名曲としてかなり人気が高い曲ですけど意外と6thとかその辺のロック色の強い作品の源流なんじゃないかな。GARNET CROWの歌詞にはきわめてフォーカスされやすい「私」と「君」ですが、毎度毎度感じるのは「私」と「君」以外の存在が果てしなく遠い。七さんっぽく言うならば「孤独」とかいて「ふたり」とでも読めるんじゃないかというような空気をまとった曲が多く感じます。たとえば「他の誰に愛されても」という節がありますが、この「他の誰」って影も形すらもぼんやりとした存在な気がします。こういうところが主眼じゃないのかもしれないですがGARNET CROWってそうだなあというのはこういうところに強く感じます。
3. 二人のロケット ~cool smooth ver.~ ★★☆
(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:Miguel Sá Pessoa、古井弘人)
おまけ。その名の通りクールでスムースなバージョン。ミゲルさんメインのアレンジで楽器隊もそっちで用意したみたいです。流麗なシンセとピアノ、柔らかいコーラスでヒーリングミュージックのような原曲と全く違った味わいです。その他明確な違いは間奏の歌詞ですね。「So we call it paradise we go on paradise」以降原曲は「we go on paradise」の繰り返しですがこちらは全く違う歌詞がのってます。歌詞カードに記載はないですがアレンジが静かなんで聞けばわかる(とおもう)。
- アーティスト: GARNET CROW,AZUKI 七,古井弘人,ミゲル・サ・ペッソア
- 出版社/メーカー: GIZA studio
- 発売日: 2000/05/17
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4th Single「千以上の言葉を並べても…」
2000年9月27日発売
1. 千以上の言葉を並べても… ★★★★☆
デビューから少し落ち着いて4ヶ月ぶりのシングルですがここから怒濤のリリースで手始めにまずこのシングル。アルバムのほうにも書いてますがシングルとしては異様に地味。申し訳程度のタイアップがついたから切っただけなのか……。曲自体は大好きですよ。
2. blue bird ★★★
今作はカップリングも負けず劣らず地味。サビのハモリが岡本さんです。今後もちょくちょくコーラスしてますがこの曲が最初かな? 地味に相性はいい。曲や歌詞は安心感を得ることができそうなふんわりとした柔らかさです。まあそんな曲でもAのトニックから急にB♭mに転調して緊張感のあるコード進行を歩む豪快な構成なんですけどね! 七さんはその辺しっかりくみ取ってその部分をカラッとした歌詞に仕上げてます。
- アーティスト: GARNET CROW,Nana Azuki,古井弘人
- 出版社/メーカー: GIZA studio
- 発売日: 2000/09/27
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5th Single「夏の幻」
2000年10月25日発売
1. 夏の幻 ★★★☆
前作から1ヶ月足らずでまたシングル。こちらは2回目のコナンタイアップ、今回はエンディングですね。年齢的なこともあって当時流れてたとかは全然覚えてないです。が、映像と一緒に流れてるこの曲はインパクト強いです。secret arrange ver.が好きすぎるのでこっちのバージョンは自分の中ではむしろ別バージョンです(暴言)。
2. hi-speed スペシャル oneday ★★★★
シンセブラスが印象的な軽やかな曲。しかしタイトルはクセがすごい。スペシャルだけカタカナって常人には思いつかなくない? 暗いとこが目立つGARNET CROWなんですがそれと同じくらい謎の明るさを感じる。この曲は別にそんな描写はないんですが白い部屋で白い出窓(観音開きのアレ)を開け放って、ほんのり雲がかかった青空で、いつものようにけだるい朝食とってーみたいな。そういうのもあると思うんです。あとこの曲は「近頃 疲れるの」のあとの「ヤッ!」がかわいい。
- アーティスト: 古井弘人,AZUKI七,GARNET CROW
- 出版社/メーカー: GIZA studio
- 発売日: 2000/10/25
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6th Single「flying」
2000年11月29日発売
1. flying ★★★★☆
またしても1ヶ月でシングルリリース、3ヶ月連続リリースの最後の曲。ゲームのオープニングタイアップですね。確かゲームではもっとラフなアレンジでそれはそれで味がある雰囲気だったんですが、リリースに際してかなり入り組んだアレンジになってます。イントロのピアノのフレーズなんかは追加されたそうですがかなりこだわったみたいですしね。シングル盤が珍しくピクチャーレーベルになってて好き。あとジャケットにゆりっぺと七さんしかいないのも珍しい。
2. Cried a little ★★☆
「dreaming of love」をテンポアップして軽やかにした感じの曲。暗い曲を聴こうって時にわざわざこの曲を選ぶほどではないです。でもやっぱり歌詞には考えさせられて、「不自由な自由」ってなんやいね、不自由ってどういうことやねん、って思って周辺の歌詞を見渡すと「誰も傍にいない週末の夜は」とか並んでるんですね。だから実際には自由なんですけど「君」がいなくなっておりまして、その幻影にとらわれて抜け殻みたいになっちゃってるんでしょう、それは不自由ですね。「晴れやかに」なんて歌ってますけど、こんなん「私」自身が「どこがやねん」とツッコむくらいの口から出まかせなんじゃないですか、たぶん。
- アーティスト: 古井弘人,AZUKI七,GARNET CROW
- 出版社/メーカー: GIZA studio
- 発売日: 2000/11/29
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収録アルバム
A面曲は全曲オリジナルアルバムと各種ベストアルバムに収録。「二人のロケット」についてはオリジナルアルバムには別バージョンが入ってる代わりにインディーズアルバムに同じバージョンが入ってます。
「in little time」「未完成な音色」「blue bird」「hi-speed スペシャル oneday」はカップリングベストに収録。
GOODBYE LONELY?Bside collection?
- アーティスト: GARNET CROW
- 出版社/メーカー: GIZA
- 発売日: 2012/02/29
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「Cried a little」は『All Lovers』収録。
他にも入ってるアルバムあるけど今から集めるならこの3枚とオリアルで大体揃う。
GARNET CROW 1st Album『first soundscope ~水のない晴れた海へ~』
2001年1月31日発売
『first kaleidscope ~君の家に着くまでずっと走ってゆく~』発売後の2000年3月29日、「Mysterious Eyes」と「君の家に着くまでずっと走ってゆく」の2枚のシングルを同時に発売し、メジャーデビューするGARNET CROW。とりわけ「Mysterious Eyes」は『名探偵コナン』のタイアップとしてそれなりに名を売りながらその後もインディーズ曲のシングルカットや新曲をリリースし続け、2000年の間に6枚ものシングルを発売。「Rhythm」の発売中止などがあったもののその集大成として年明けにこのアルバムがリリースされました。
その6枚のシングル全曲をはじめ、発売中止の憂き目に遭った「Rhythm」などのアルバム曲、あと「夏の幻」のシングルバージョンのアレンジがパクリとか言われたから作り直したであろう別バージョンがシークレットトラック(アルバムパッケージのスリーブにだけ記載されてなくて中のブックレットとかにはちゃんとバージョン名だのクレジットだのが載ってる)として収録されたこのアルバム。アコギやパーカッションを多用しながらシンセサイザーなどもふんだんに使っており「ネオアコ」だなんだと言われた時期のアルバムですせいぜいネオアコっぽいのは3rdか4thくらいまでな気はする、この辺ですでにかなりポップだしつぎの5thは……。
1. 水のない晴れた海へ ★★★☆
(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:Miguel Sá Pessoa)
トップバッターにしてアルバムのサブタイトルとなっている曲はパーカッション、アコギ、ピアノとアコースティックな雰囲気で静かに始まって頭サビに入ると一転、4つ打ちの打ち込みドラムがタイトに刻まれる緊迫感のあるサウンドに。人魚姫をモチーフとしている歌詞ですが、この時期は特に「死」だとか「孤独」だとかそういうことがテーマの歌詞が多い! 高音部ばかりを奏でるピアノもキラキラとかいうよりもう亡骸を葬送する音の様ですよね。んで、それがエンディングに向かうにつれだんだんと激しくなっていくのがもう「どうぞこちらの世界へ!!!」って感じで、そんでさらにメジャー最初のアルバムの1曲目にこの絶望的な曲をもってくるってのがすごい。さんざん盛り上がった後にコーラス(このコーラスがめちゃくちゃ凝ってる)以外フェードアウトさせてコーラスだけでぷっつり終わるのなんか事切れてるとしか言いようがない。この世界観の作りこみはすごいわ……。
2. 君の家に着くまでずっと走ってゆく ★★★★
(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:Miguel Sá Pessoa、古井弘人)
2ndシングル
タイトル表記ではわかりにくいですが、シングルバージョンでこっちのバージョンはたまに出てくるミゲルさんメイン(ていうか1曲目は珍しく古井さんアレンジ参加してない)のアレンジでもったりしたリズムが印象的な穏やかな雰囲気になってます。コード進行とかはそこまで変わってないんですが大サビ部分、もとはEm7→F#m7→G→Aで循環していたところをこのバージョンはEm7→F#m7→G→D→A/C#→Bm→A→G→D/F#→Em7…になっていたりちょこちょこ違うんで面白い。その大サビからラスサビに行かずイントロと同じフレーズでフェードアウトしていくところも大きな違い。どっちかというとこっちのバージョンのが好きです。
3. 夏の幻 ★★★☆
5thシングル
この曲はまず転調が自由すぎる。Dm→B♭→F→Cって普通にFかな~って聴いてたら、突然のA♭。このA♭、トニックなんで単にF→A♭で短3度動いただけなんですけど転調はやすぎやろ!! ついでに言うと二度とキーはFに戻りません、使い捨てが豪快すぎる。AメロからBメロへはFm→(Key=D)G→A→Bmとかいう力業が光る転調、BメロからサビへはG→D→A→(Key=E♭)E♭という唐突すぎる半音上昇。次から次へと平然と転調するもんだから理解が追い付かん。間奏~2BメロもE♭からD♭に行ってまたDに戻すというやりたい放題感、好きだよこういうの。そっからサビへはG→D→A→(Key=E♭)B♭で普通に上がったと思ったらその次がEで「やっぱりそこは上げるのね…」という。進行はハチャメチャですがメロディは普通に殺傷能力抜群でつよい。歌詞もこの曲では七さんとしては「生命」は「ゆめ」であるし、「命」は「まぼろし」であるんです。せつない。
4. 二人のロケット ★★☆
3rdシングル (別アレンジ)
インディーズアルバムからそのままシングルカットしたものをメジャーのアルバムにもそのまま収録するのはまずいと思ったのかドラムとベースが生演奏に差し替えられすごく生き生きしたサウンドになってます、こっちのが好き。といってもやっぱりメロディやらなんやらめちゃくちゃ平坦だしCDで聴くんじゃなくてライブ向き。
5. 巡り来る春に ★★★★☆
希望を抱きそうなタイトルのこの曲ですがそんなものはどこ吹く風。無機質な打ち込みのドラムなんかとともにあきらめにも似た感情が歌われます。「何も手にせずに生まれてきたから このまま世界に終わりを告げたい」だとか暗い、暗すぎる。一聴してピンと来なくてもあとからじわじわ来るタイプの曲。実際割と最近まで空気曲だった、個人的には。
6. HAPPY DAYS? ★★★★
中盤にいたり、ここでやっと箸休め的な曲。「君」のいる今の幸せをしっかりとかみしめているようなふんわりした内容の曲。なんだかんだ二人の日常を切り取ったようなこんな曲も結構多いです。あとこの曲に限ったことではないんですがコーラスワークが細かすぎる。ハモリだけじゃなくてコーラスのみのフレーズも何声にも重なっててこれそうとう手間かかってんだろうなと。何がすごいってこの曲特別凝ったわけでなく全体的にこの調子という。
7. Mysterious Eyes ★★★
1stシングル
メジャーデビューのシングル2枚同時発売のうちの一つですが、実質的にこっちがデビュー曲として扱われることが非常に多いです。そういうこともあって代表曲の一つ。バンド全体に漂う暗い雰囲気はこの曲では鳴りを潜めていて終始明るめな余所行きな曲。曲としては非常にシンプルで、大体AとDとEとFm#のコードを行き来してるだけって感じなんですが、実は3回あるサビの終わり方が全部違ってます。こういうところに変化があると聴いていても飽きが来にくくていいですね。
8. Rhythm ★★☆
渋いエレキで幕開ける曲はやはりというかこのアルバムっぽいアコギやシンセ主体のサウンド。ロックよりのミドルテンポなんですがBPM135でなんとこの曲がアルバム内最速。GARNET CROWはBPMが100から120前後の曲が非常に多いイメージなんですがそれでもこの天井の低さは驚きですね。一応最速に恥じないかっこいい曲に仕上がってます。
9. Holding you, and swinging ★★★★
ハーフタイムシャッフルのけだるいR&B風味の曲。サビでは特にファルセットが多用されコーラスも異常に複雑な基本的にゆりっぺの声を堪能するための曲。コーラスワークに目が行き過ぎて歌詞が入ってこない、七さんごめん。
10. flying ★★★★☆
6thシングル
アルバム先行シングルとしては最後発。GARNET CROWパブリックイメージド真ん中な身もふたもない言い方をすれば人が死ぬ系の曲。相手への依存性を存分に感じる曲ですね。サビは高音を多用するメロディになってるんですがこの曲は「Holding you, and swinging」と違って全編通して地声での歌唱。そのことで余計魂の叫びというか捻り出すような情を感じる仕上がり。うーんよくできてるわ……。サウンドとしては後期でやるようなロックな感じ、Aメロのコード進行が何やら変な動きをしてますが自然に流れてるのはさすがですね、クラシックだったら怒られますよこんなの(だがそれがいい)。
11. 千以上の言葉を並べても… ★★★★☆
4thシングル
このアルバムの収録シングルどころか全シングル並べても圧倒的な地味さを誇る名曲。なんせ2フレーズ繰り返すだけで終わりますからね。ブリッジとかラスサビとかいう概念がない。アレンジも極力さっぱりというか最低限の音しか入ってない、というか入れてないって感じです。2番のAメロだけ唐突に4つ打ちになったり2番サビに関しては音が多めだったりで変化はあるので退屈ではないですね。むしろこのアルバムのシングルでは一番好きです(後述のアレを除く)。二人の別れが描かれていますが、あきらめというか妙にあっけらかんとして前向きな風に見えます。しかし公園で髪を切るというのは普通なことなのだろうか……。
12. wonder land ★★★★
イントロのアコギリフが印象的な軽快なポップス。一応アルバムの最終曲ではありますがまだ曲が続くので終わりますよ~感はなし。随所に入るファルセットがやはり好き。特に最後、転調してからの「嘘に歪んでしまった愛も」の「に」が最高。サビの構成がなかなか面白くて流れに乗って普通に進行してるかと思ったら後半で急にロックなメロディになります。いやいやなかなかその転換は意外というか斬新。
13. 夏の幻 (secret arrange ver.) ★★★★★
5thシングル (別アレンジ)
パクリと騒がれたので別アレンジ作りました的なやつ。ちょっといじったとかそういうレベルではなく1から作り直されてます。で、このアレンジが本当にいい。この時期にはほとんどなかったがっつりとしたバンドサウンドでアコギよりもエレキが目立ってます。曲構成に関してはイントロと間奏のコード進行がF→Dm→B♭→Cと明るいコード進行に変わってます。逆にせつないのよこれが……。個人的にはこのアレンジは完全体という印象で、切ない歌詞がより一層引き立つというか涙腺を的確に攻撃してくる。GARNET CROWの中でもトップクラスで好きな曲。
個人的評価 ★★★☆
明るい曲もそこそこ入っているのになんでかどんよりした雰囲気、アルバム通してのサウンドもかっちりと迷いがない。散々各所で言われていることではありますが、1stにしては方向性が定まりすぎているというかすでに何年も活動してましたけど?みたいな雰囲気さえある1枚。隙がないと言いますか、全部とりあえずパーフェクトに作ったんであとは好きか嫌いかで判断してくれというような言った作品かな。相対的な言い方ではありますが確かにいいアルバムだけどGARNET CROWにはもっといいアルバムがいくらでもあるよね、という印象を抱きます。「夏の幻」シングルバージョン入れんでもよかったんでは?とか。しっかり向き合うとやっぱいいなって思うんですけど。
- アーティスト: GARNET CROW,AZUKI 七,古井弘人,ミグエル・サ・ペッソア
- 出版社/メーカー: GIZA studio
- 発売日: 2001/01/31
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DREAMS COME TRUE 1st Album『DREAMS COME TRUE』
1989年3月21日発売
2019年になり、30周年を迎えたポップスバンドDREAMS COME TRUE。このファーストアルバムと本作品収録曲をシングルとして切った「あなたに会いたくて」を同時発売してデビューしました。ヒットを飛ばすようになる以前の作品なので存在的にはかなり地味で、後々知名度の高い曲はせいぜいベストに何回も収録されている「悲しいKiss」くらいですかね。デビュー曲は知名度としては低い気がする。発売後には「APPROACH」をシングルカットしています(市場に出回った数が少なすぎて全然入手できない)。
すごく細かいことですがグループ名の表記はデビューしてしばらくは曖昧で「Dreams Come True」と「DREAMS COME TRUE」が混在してて(前者のほうが使用頻度が高めだった)、5thアルバムの『The Swinging Star』あたりから徐々に「DREAMS COME TRUE」で統一されてくるようになりました。ここでは「DREAMS COME TRUE」で統一して表記させていただきます。それとドリカム作品では作詞を「作詩」と表記していますが他との統一で「作詞」と表記させていただきます。
1. Hi, How're You Doin'?
「Hi, How're You Doin'?」って吉田美和が言うだけ、それだけ。
2. APPROACH ★★★★
2ndシングル (リカット)
実質1曲目のこの曲、軽快な打ち込みドラムのパターンやデデン!なオーケストラヒットが印象的。ハイハット刻みすぎじゃね? サビでは初期に特に多かった英語コーラスがすでに炸裂しています、ついでにラスサビはメインの歌詞も英語。歌詞はクールな彼を振り回したい女の子がかわいらしい。基本歌詞が暗いこのアルバムの清涼剤です。ド頭だけど。シンプルに構築された音が重なってなかなかに気持ちのいい曲です。各種ベストアルバムにはほとんど選曲されない地味でかわいそうなシングルですが25周年のツアーでは久々に演奏されています、忘れてなくてよかった。
3. Don't You Say… ★★★★
1stシングルカップリング (別ミックス)
レコード風のSEでピアノから入ってそのあと「オォォオォオォォオォオウドンチュセエエエエエェエエエエエエ(ry」がいきなりインパクトありますがシングルバージョンにはないそうです。(やはりシングルが出回ってなさすぎるので確認できん…)もったりしたシャッフルビートとひたすら繰り返すベースラインが特徴の曲です。Bメロの忙しないベースもほんとすき。
4. あなたに会いたくて ★★★★☆
1stシングル
記念すべきデビューシングル。デビュー曲のわりにいまいちパッとしない扱いを受けがちですが2015年の集大成的なベストにはちゃんと収録されて安心。サウンドがドリカムとしてはかなり珍しいロックアプローチの曲です、ドリカムなのにギターめっちゃうるさい。ドリカムのかっこいいって基本ファンクなんでこういうの結構うれしいんですよね。2010年前後は割とギターの主張激しい曲多いですけど。ブラスが前面に出てくるあたりはドリカム感満載です。
5. 週に1度の恋人 ★★★☆
2ndシングルカップリング (リカット)
いわゆるハーフタイムシャッフル。16分が跳ねてる曲ってつい踊りだしたくなりますね。ドラムやキーボードの打ち込みが基本的に同じ音色なんで下手したら飽きてくる頃合いですが、ブラス隊が生で頑張ってるのでそこは聴きどころ。ってのはこのアルバムの傾向なんだけど。吉田美和が中村正人に初めて歌ってきかせた曲の1つということで一応シングルカップリングでリカットされてたりはしますが如何せん地味な立ち位置。とはいえ2016年に出た裏ベストに初めてベスト盤収録された上に再録されているということで重要な曲という認識はありそう。オリジナルのリマスタリングも聴きたかったけどね。
6. カ・タ・ガ・キ ★★
1stでは唯一の中村正人作曲。当時は自分の作った曲以外に詞を付けるのが難しかったようで次作くらいまでは吉田曲が非常に多めです。曲自体はなんというか普通に普通過ぎるというか……、ラスサビ直前のシャウトはいいですね。
7. エメラルドの弱み ★★★★
エメラルドは5月の誕生石(=吉田美和の誕生月)。女友達の何人かが同じ人を好きになったこと、自分もその人を好きになったことは言い出せないこと、このあたりを誕生石に転嫁して(言い方が悪い)揺れ動く心を歌ってますね。ていうかそんだけ人気が集中するその意中の相手何者……。どうってことない曲ではあるんですが、「デデデデデデデデデー」をはじめとして音のフレーズが素敵な個所が多くて結構お気に入り。最後のBメロとサビの間にこのフレーズを挟んでくるあたりにセンスを感じます。
8. それでも恋は永遠 ★★☆
恋について歌った曲はドリカムでは定番です。サウンドに関しては「実にファーストアルバムっぽい」として言えないですけど。「ちょっとHなUnderwear頬を上気させてる」のインパクトが強すぎて他の歌詞があんまり入ってこない。
9. IT'S TOO LATE ★★★☆
このアルバムでは一番ファンキーなアレンジ。ベースの動きがえげつなすぎる。なんだこれ。この曲はどうしてもサウンドがすごく細かくて面白いんでそっちに耳がいくんですけど歌詞はこのアルバムに入ってるだけあって非常に切なくて、忘れられるように愛さなかったから余計に悲しい的な見方は新鮮というか。このサウンドと歌詞が同居してるのはなかなかすごいんですが作曲自体は吉田美和という驚き。
10. 悲しいKiss ★★★
そして温度差がすごい大バラード。別れ際を繊細に表現した詞は何度もベストアルバムに収録されるのも納得のでき。ホーンが目立つアルバムの中でもサックスソロがインパクト大な曲。
11. STILL ★★★★★
ラストはシャッフルのミドルテンポ。かなり未練を残したまま別れてますねこの曲の主人公は。それでも会える機会があるならそのほうがいいというところがほんと健気。曲のほうは構成がなかなかカオスでFのキーで頭サビが始まってそのあと唐突にD♭に移行、D♭→E→D♭→Eと進行して最後にFに戻るんですがこの曲の内容でこれをやるのかっていう。個人的に今作ベストトラック。
個人的評価 ★★★★☆
打ち込みの音源の関係でさんざん似通った音色だ云々といっておりますが、裏を返せば非常に統一感があってアルバム通して聴きやすいという点が気に入ってて特別好きでもない曲も含めて1枚そのまま聴くことが多いアルバム。統一感に関してはあえて悲しめの曲ばかり選曲されているというところもありますが。その中で「APPROACH」みたいにポップだったり「IT'S TOO LATE」みたいにファンキーだったりとしっかりバラエティに富んでいて今後の作品群の骨組みがすでに出来上がっている感があります。EPIC時代の8枚のアルバムの中では一番好き。
- アーティスト: Dreams Come True
- 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
- 発売日: 1989/03/20
- メディア: CD
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GARNET CROW Indies 1st Mini Album『first kaleidscope ~君の家に着くまでずっと走ってゆく~』
1999年11月27日先行発売
1999年12月4日一般発売
2000年にメジャーデビューして2013年に解散したGARNET CROW、メジャーデビューに先駆けて直前にリリースしていたのがこのアルバムです。6曲のうち、4曲はメジャーデビュー後にもいくつかの作品に入っていますが、その中で「Sky」はオリジナルがこの作品にしか入っておらず、残り2曲はこのアルバムが唯一の収録作品になっています。タイトルでは「kaleidscope」になってますがおそらく「kaleidoscope」のミススペルだと思われます、たぶん意図的ではない……。おっちょこちょい。なおこのアルバムの後、もう1枚インディーズで『Popper-plazma』というミニアルバムを出す予定だったそうですがメジャーデビューにより立ち消えになってます。
1. 君の家に着くまでずっと走ってゆく ★★★★
2ndシングル (別アレンジでリカット)
ちょっとガサガサした音色のアコギから始まってポコポコしたパーカッションっぽいドラムが流れ込んでくるあったかい曲。この打ち込みのドラムはアルバム通してこんな感じの音色です、この曲とか「dreaming of love」はスネアが柔らかいですがそれ以外はパコーンって感じの響きが印象的な。「tel」に「電話」のルビをあてるとかもうAZUKI七全開の当て字まつりもこの曲からしっかり始まってます。こっちのインディーズのバージョンはアウトロがEm7→F♯m7→G→A→Em7…の循環になってる部分がすごく好き。
2. 二人のロケット ★★☆
3rdシングル (リカット)
アコギとピアノから静かに幕開け。こういうのはGARNET CROWの常套手段、古井さんのアレンジか中村さんの作曲の範疇なのかはよくわかりませんが、そもそもアレンジ手法としては鉄板な感じですよね。そんでいきなり入ってくるドラムがわりとうるさい。ズタタタタットッタタト!って緩急ありすぎやろ! これはまあメジャーのほうの1stではよくなってるんですが。それ以上にメロディがやたら単調でサビなんか同じ音何連打すんだって感じで。コード自体かなりシンプルなのでCDで聴いてると飽きてくる。生で聞いて盛り上がりたいタイプの曲ですね。
3. Sky ★★★☆
イントロからすでにジメジメした暗い曲。さすがお葬式バンド。いきなりAmでズーンとくるから「あ、暗い」が一瞬で感じられます。ただGARNET CROWの暗さってこの流れの中で突然Cがズイッて入ってくるとこなんですよ。Bメロ頭とサビ頭は思いっきりKey=CでトニックのCをジャーンと鳴らしてくるところに逆に軽い不安というか恐怖が秘められている気がしてならない。明るい部分の影の部分がよく映えるようなメロディで完成度高いなって曲。好きかどうかで言うとたまに聴きたくなるくらいには好き。
4. dreaming of love ★★☆
その暗さをムーディな方向に持ってきたといった趣の曲。中村さんのたどたどしい歌い声が余計にその雰囲気を増幅させてるんじゃないかな。ゆりっぺ色気すごい! 決して派手ではないこのアルバムの中でもひときわ地味でその分味わい深くハマったら抜け出せないにおいがする。「I dreaming of love」ってのはもうちょっとどうにかならんかったん?
5. 永遠に葬れ ★★★★☆
タイトルの時点でお察しですが明らかに「君」は死んでますよね。これは葬式バンドっていうかもう終わってそう。地味に転調が激しくてイントロのGとかそれっきりで歌に入るなりAmに転調するし、サビでE♭に転調するところが妙に明るくなってそれがまた切なさを漂わせるというか。ゆりっぺほんとこういうのうまい、それにこの歌詞のせてくるAZUKIさんもAZUKIさんだが。1番終わったらさらっと間奏に行ってAmに戻った後Bメロ→サビで終わるコンパクトさも締まりがよくて好き。で、「make me happiness」ってのはもうちょっとどうにかならんかったん?(重箱の隅)
6. A crown ★★★★★
最後は穏やかに恋人同士の日常を切り取った曲。頭上に輝く(おそらく)太陽を王冠に喩えてみたり優しく危なげに絡み合ったりなんかいいですよねえ~。FM7→Gsus4→Gみたいな(もうちょっとピアノはコードの動き激しい)思いっきりCの流れの中からサビでいきなりA♭をトニックでしれっと出してくる感じが中村由利って感じ(語彙力の低下)。ラスサビはドラム倍速でノリノリ。そのあとハイなにもありませんでしたみたいに戻るのも好き。ゴッドハンドは伊達じゃない。
個人的評価 ★★★★☆
ほんとにこれGARNET CROWとして最初の作品なの?って風格は持ってますが一応なんとなく粗削りな部分もあってほのかな初々しさが楽しい作品。作詞も作曲も傾向的にはもうこれ以降の作品とそう違わないレベルです。アレンジのほうは古井さんが意欲的にいろいろ取り入れていって時期によって全然違いますが。(アレンジを古井さんがやっていた)初期の小松未歩みたいにギラギラしたロックをやるでもなく落ち着いた中でじっくり音が鳴ってる感じですかね、このアルバムは。6曲で聴きやすいわりにかなり充実した内容です。
- アーティスト: GARNET CROW
- 出版社/メーカー: TENT HOUSE
- 発売日: 1999/12/18
- メディア: CD
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Superfly 1st Album『Superfly』
2008年5月14日発売
2017年、10周年を迎えながらも前年後半あたりからほぼほぼ活動休止状態のままで少し寂しいSuperfly。その1stがいきなりセルフタイトルという。もう相当時が流れてるのにいまだにヒッピーファッションをイメージされることも少なくなくこのころのインパクトの強さがうかがえます。
1. Hi-Five ★★★
(作詞:越智志帆、jam/作曲:多保孝一/編曲:蔦谷好位置、多保孝一)
5thシングル
ラジオでもつけたかみたいなイントロが印象的。普通の音色に戻るのがドラムからでそのあとブラスがバンバン鳴る派手な曲。ライブとかで聴いたら盛り上がるけどなんかこういざCD聴きますよな感じで聴いてると物足りなさを感じる。そのうち盛り上がっていっちゃうんだけど。
ギターに昼海幹音が参加してて、この時期だとこの曲くらいなんだけどその後3rdや4thのあたりでやたら参加してる。何があったのかまたプツッと途絶えるけど。
2. マニフェスト ★★★★★
2ndシングル
イントロベースめっちゃテンション上がる、重たい。曲はもうベッタベタに泥臭いロックです。リフを聞かせる系の横ノリ曲。歌は歌でめっちゃくちゃ叫んでてソウルフル。なんか最初はピンとこない曲だったんだけどいつの間にやら体がノリを覚えこんだみたいで非常に癖になった。細かいことを言うと間奏終わりのフェードインするような「Oh~」がすごく好きです。
3. 1969 ★★★★
(作詞:越智志帆、多保孝一/作曲:多保孝一/編曲:多保孝一、松岡モトキ)
シングルの合間にちょっと落ち着いたこの曲。あとあとしょっちゅう出てくる数字曲の第1弾(?)。1969年のことですね。ベルボトムとかそういうレトロなワードが出てきます。これはなんかいろいろと嵐が去ったような穏やかさを感じますね、歌詞曲両方から。アコギが心地いい感じを出したりしてて。
4. 愛をこめて花束を ★★★★★
(作詞:越智志帆、多保孝一、いしわたり淳治/作曲:多保孝一/編曲:蔦谷好位置)
4thシングル
言わずと知れた代表曲。結婚式なんかでもよくつかわれるとは聞くが知らない人がそういう機会にCメロを聞いたらびっくりしそう。色の名前並べ立ててるだけといえばそれだけだから。でもあそこカラオケで歌うと気持ちいいのよ……。近年のライブではそのあとサビに入る直前のスキャットを省エネにされててちょっと不満なんだけど。
その部分以外は相当素直なきらびやかなバラードですね、イントロのG→Dm7みたいないきなりそこに落ちんのか!的な進行は地味に好きだったり。シンプルにメロディが強いのでやはり好きな曲だなあ。
5. Ain't No Crybaby ★★★★☆
(作詞:越智志帆/作曲:多保孝一/編曲:蔦谷好位置、多保孝一)
これも割とテンポ低めの横ノリの曲だけど、ブラスがド派手に入っててファンキーな感じ。Cメロの吸い込まれるようなうねうねのメロディやラストサビの繰り返しの際に2拍削って戻るとかトリッキーなところがまた気持ちいい。
6. Oh My Precious Time ★★☆
(作詞:越智志帆/作曲:越智志帆、多保孝一/編曲:蔦谷好位置、多保孝一)
このあたりからはゆったりとしたゾーン。フォークというかカントリーというか暖かいレトロな雰囲気で。越智さんも作曲にかかわってるナンバーで素朴な味わいになってるんだけどいまいちつかみどころがないかな……。
7. バンクーバー ★★
(作詞:尾上文/作曲:多保孝一/編曲:蔦谷好位置、百田留衣)
この時期にしては珍しく越智さんが作詞にかかわってない曲。尾上さんはこの曲からだいぶ後の「Live」とかでまた作詞に参加してますね。曲のほうは生楽器がふんだんで民族楽器なども取り入れてかなり独特な感じ。このアルバムで一番癖のある曲だと思う。これもゆったりとしてるんだけど越智さんは初期衝動を感じるパンチのある歌声で歌ってるからメリハリありすぎる。
8. i spy i spy (Superfly × JET) ★★★
(作詞・作曲・編曲:Chris Cester, Mark Wilson, Superfly)
3rdシングル
テンポ自体はゆっくりだけどごっついギターとかズンズン響く4つ打ちでダンサブルなシャッフルのロック。外国バンドとのコラボということもあって全英語詞ですね。サビで意外とピアノがガンガンなってるのが面白い。
9. 嘘とロマンス ★★★★
ここで久しぶりに縦ノリの完全にライブ向けなロックナンバー。意外とこのアルバムテンポの速い曲が少なくてこの曲が明らかに他より速いのが目立ちます。ライブではタオル振り回したりなこの曲ですがイントロなど随所に出てくるズンズン上がってくるようなギターとベースのリフがノリを増幅させてくれます。歌詞もおもいっきりパーリナィ!みたいな感じだし、もう意味とか考えずに頭振ってりゃOKみたいな曲。
10. 愛と感謝 ★★★★
(作詞:越智志帆、多保孝一/作曲:多保孝一/編曲:多保孝一、松岡モトキ)
4thシングルカップリング
「嘘」と「ロマンス」を並べた後にこのタイトル。歌詞は下手すりゃ説教ソングなんだけどその辺はまあとらえ方次第というか。サビでやたら愛と感謝に生きるからくどいっちゃくどいんだけどすごく平和な感じもあって当時のヒッピースタイルにはかっちりはまっていい感じ。合唱団につられてコーラス歌いたくなる曲。
11. ハロー・ハロー ★★★★
1stシングル
ピアノと歌で始まるインパクト抜群のデビュー曲。歌いだしのフレーズはAメロのフレーズを使ってるんだけどそれでも印象が薄くならないのはすごい。Aメロ自体はそんなに前に出てくる強さはない、というか控えめになってるはずなのに。2番サビからCメロに飛ぶ際に転調してるんだけど自然すぎてはじめは全然気づかなかった。ラストもサビの後に新たなフレーズが出てくるコーダみたいなのが引っ付いててデビュー曲ながら本当に完成度が高い。
12. Last Love Song ★★★★☆
(作詞・作曲・編曲:越智志帆)
越智志帆単独の作詞作曲はこの曲が最初。でもってピアノのみの弾き語りスタイルでちゃんと本人が弾いてるので完全に自作自演の曲。内容は本当切ない。基本的にこの時期の歌い方は一本調子感が否めないけれどその中でもしっとり歌ってる感じは初々しくて好き(何様)。
13. I Remember ★★★☆
最後を飾るのはゴスペル感の強いロッカバラード。なんかもうね、強い(語彙力の欠如)。これは好き嫌いとかいうより名曲だなあっていう印象のほうが強いかな。メロディのある部分だけキーがずっとBで間奏とアウトロだけキーがDになるのもクライマックスな感じがある(意味不明)。大迫力でG→D/F♯→Em7→Dみたいなきれいな終止聴かせられると言葉が出なくなると思いました。
個人的評価 ★★★★☆
前半にシングルが寄りがちではあるものの後半にも配置しててバランスは悪くない。それを言ったら次作なんかもっとトップヘビー。「Oh My Precious Time」から「i spy i spy」になんとなく中だるみを感じてしまうのが残念なんだけどそれ以外は好き。「嘘とロマンス」あたりで言ってはいたけど見返してみると案外テンポの速くない曲が多いのがびっくりだったかも。正直思い出補正が強すぎてニュートラルに評価ができないアルバム。言っても普通に名盤だとは思いますけど。
- アーティスト: Superfly,Superfly×JET
- 出版社/メーカー: Warner Music Japan =music=
- 発売日: 2008/05/14
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