筋書き通りのメモリーズ

アルバム、シングル単位で好きだの嫌いだのを言いたい放題します。

GARNET CROW Indies 1st Mini Album『first kaleidscope ~君の家に着くまでずっと走ってゆく~』

1999年11月27日先行発売

1999年12月4日一般発売

 

2000年にメジャーデビューして2013年に解散したGARNET CROW、メジャーデビューに先駆けて直前にリリースしていたのがこのアルバムです。6曲のうち、4曲はメジャーデビュー後にもいくつかの作品に入っていますが、その中で「Sky」はオリジナルがこの作品にしか入っておらず、残り2曲はこのアルバムが唯一の収録作品になっています。タイトルでは「kaleidscope」になってますがおそらく「kaleidoscope」のミススペルだと思われます、たぶん意図的ではない……。おっちょこちょい。なおこのアルバムの後、もう1枚インディーズで『Popper-plazma』というミニアルバムを出す予定だったそうですがメジャーデビューにより立ち消えになってます。

 

1. 君の家に着くまでずっと走ってゆく ★★★★

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

2ndシングル (別アレンジでリカット)

 ちょっとガサガサした音色のアコギから始まってポコポコしたパーカッションっぽいドラムが流れ込んでくるあったかい曲。この打ち込みのドラムはアルバム通してこんな感じの音色です、この曲とか「dreaming of love」はスネアが柔らかいですがそれ以外はパコーンって感じの響きが印象的な。「tel」に「電話」のルビをあてるとかもうAZUKI七全開の当て字まつりもこの曲からしっかり始まってます。こっちのインディーズのバージョンはアウトロがEm7→F♯m7→G→A→Em7…の循環になってる部分がすごく好き。

 

2. 二人のロケット ★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

3rdシングル (リカット)

アコギとピアノから静かに幕開け。こういうのはGARNET CROWの常套手段、古井さんのアレンジか中村さんの作曲の範疇なのかはよくわかりませんが、そもそもアレンジ手法としては鉄板な感じですよね。そんでいきなり入ってくるドラムがわりとうるさい。ズタタタタットッタタト!って緩急ありすぎやろ! これはまあメジャーのほうの1stではよくなってるんですが。それ以上にメロディがやたら単調でサビなんか同じ音何連打すんだって感じで。コード自体かなりシンプルなのでCDで聴いてると飽きてくる。生で聞いて盛り上がりたいタイプの曲ですね。

 

3. Sky ★★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

イントロからすでにジメジメした暗い曲。さすがお葬式バンド。いきなりAmでズーンとくるから「あ、暗い」が一瞬で感じられます。ただGARNET CROWの暗さってこの流れの中で突然Cがズイッて入ってくるとこなんですよ。Bメロ頭とサビ頭は思いっきりKey=CでトニックのCをジャーンと鳴らしてくるところに逆に軽い不安というか恐怖が秘められている気がしてならない。明るい部分の影の部分がよく映えるようなメロディで完成度高いなって曲。好きかどうかで言うとたまに聴きたくなるくらいには好き。

 

4. dreaming of love ★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

その暗さをムーディな方向に持ってきたといった趣の曲。中村さんのたどたどしい歌い声が余計にその雰囲気を増幅させてるんじゃないかな。ゆりっぺ色気すごい! 決して派手ではないこのアルバムの中でもひときわ地味でその分味わい深くハマったら抜け出せないにおいがする。「I dreaming of love」ってのはもうちょっとどうにかならんかったん?

 

5. 永遠に葬れ ★★★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

タイトルの時点でお察しですが明らかに「君」は死んでますよね。これは葬式バンドっていうかもう終わってそう。地味に転調が激しくてイントロのGとかそれっきりで歌に入るなりAmに転調するし、サビでE♭に転調するところが妙に明るくなってそれがまた切なさを漂わせるというか。ゆりっぺほんとこういうのうまい、それにこの歌詞のせてくるAZUKIさんもAZUKIさんだが。1番終わったらさらっと間奏に行ってAmに戻った後Bメロ→サビで終わるコンパクトさも締まりがよくて好き。で、「make me happiness」ってのはもうちょっとどうにかならんかったん?(重箱の隅)

 

6. A crown ★★★★★

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

最後は穏やかに恋人同士の日常を切り取った曲。頭上に輝く(おそらく)太陽を王冠に喩えてみたり優しく危なげに絡み合ったりなんかいいですよねえ~。FM7→Gsus4→Gみたいな(もうちょっとピアノはコードの動き激しい)思いっきりCの流れの中からサビでいきなりA♭をトニックでしれっと出してくる感じが中村由利って感じ(語彙力の低下)。ラスサビはドラム倍速でノリノリ。そのあとハイなにもありませんでしたみたいに戻るのも好き。ゴッドハンドは伊達じゃない。

 

個人的評価 ★★★★☆

 ほんとにこれGARNET CROWとして最初の作品なの?って風格は持ってますが一応なんとなく粗削りな部分もあってほのかな初々しさが楽しい作品。作詞も作曲も傾向的にはもうこれ以降の作品とそう違わないレベルです。アレンジのほうは古井さんが意欲的にいろいろ取り入れていって時期によって全然違いますが。(アレンジを古井さんがやっていた)初期の小松未歩みたいにギラギラしたロックをやるでもなく落ち着いた中でじっくり音が鳴ってる感じですかね、このアルバムは。6曲で聴きやすいわりにかなり充実した内容です。