筋書き通りのメモリーズ

アルバム、シングル単位で好きだの嫌いだのを言いたい放題します。

DREAMS COME TRUE 1st Album『DREAMS COME TRUE』

1989年3月21日発売

 

2019年になり、30周年を迎えたポップスバンドDREAMS COME TRUE。このファーストアルバムと本作品収録曲をシングルとして切った「あなたに会いたくて」を同時発売してデビューしました。ヒットを飛ばすようになる以前の作品なので存在的にはかなり地味で、後々知名度の高い曲はせいぜいベストに何回も収録されている「悲しいKiss」くらいですかね。デビュー曲は知名度としては低い気がする。発売後には「APPROACH」をシングルカットしています(市場に出回った数が少なすぎて全然入手できない)

すごく細かいことですがグループ名の表記はデビューしてしばらくは曖昧で「Dreams Come True」と「DREAMS COME TRUE」が混在してて(前者のほうが使用頻度が高めだった)、5thアルバムの『The Swinging Star』あたりから徐々に「DREAMS COME TRUE」で統一されてくるようになりました。ここでは「DREAMS COME TRUE」で統一して表記させていただきます。それとドリカム作品では作詞を「作詩」と表記していますが他との統一で「作詞」と表記させていただきます。

 

1. Hi, How're You Doin'?

「Hi, How're You Doin'?」って吉田美和が言うだけ、それだけ。

 

2. APPROACH ★★★★

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

2ndシングル (リカット)

実質1曲目のこの曲、軽快な打ち込みドラムのパターンやデデン!なオーケストラヒットが印象的。ハイハット刻みすぎじゃね? サビでは初期に特に多かった英語コーラスがすでに炸裂しています、ついでにラスサビはメインの歌詞も英語。歌詞はクールな彼を振り回したい女の子がかわいらしい。基本歌詞が暗いこのアルバムの清涼剤です。ド頭だけど。シンプルに構築された音が重なってなかなかに気持ちのいい曲です。各種ベストアルバムにはほとんど選曲されない地味でかわいそうなシングルですが25周年のツアーでは久々に演奏されています、忘れてなくてよかった

 

3. Don't You Say… ★★★★

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

1stシングルカップリング (別ミックス)

レコード風のSEでピアノから入ってそのあと「オォォオォオォォオォオウドンチュセエエエエエェエエエエエエ(ry」がいきなりインパクトありますがシングルバージョンにはないそうです。(やはりシングルが出回ってなさすぎるので確認できん…)もったりしたシャッフルビートとひたすら繰り返すベースラインが特徴の曲です。Bメロの忙しないベースもほんとすき。

 

4. あなたに会いたくて ★★★★☆

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

1stシングル

記念すべきデビューシングル。デビュー曲のわりにいまいちパッとしない扱いを受けがちですが2015年の集大成的なベストにはちゃんと収録されて安心。サウンドがドリカムとしてはかなり珍しいロックアプローチの曲です、ドリカムなのにギターめっちゃうるさい。ドリカムのかっこいいって基本ファンクなんでこういうの結構うれしいんですよね。2010年前後は割とギターの主張激しい曲多いですけど。ブラスが前面に出てくるあたりはドリカム感満載です。

 

5. 週に1度の恋人 ★★★☆

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

2ndシングルカップリング (リカット)

いわゆるハーフタイムシャッフル。16分が跳ねてる曲ってつい踊りだしたくなりますね。ドラムやキーボードの打ち込みが基本的に同じ音色なんで下手したら飽きてくる頃合いですが、ブラス隊が生で頑張ってるのでそこは聴きどころ。ってのはこのアルバムの傾向なんだけど。吉田美和中村正人に初めて歌ってきかせた曲の1つということで一応シングルカップリングでリカットされてたりはしますが如何せん地味な立ち位置。とはいえ2016年に出た裏ベストに初めてベスト盤収録された上に再録されているということで重要な曲という認識はありそう。オリジナルのリマスタリングも聴きたかったけどね。

 

6. カ・タ・ガ・キ ★★

(作詞:吉田美和/作曲・編曲:中村正人)

1stでは唯一の中村正人作曲。当時は自分の作った曲以外に詞を付けるのが難しかったようで次作くらいまでは吉田曲が非常に多めです。曲自体はなんというか普通に普通過ぎるというか……、ラスサビ直前のシャウトはいいですね。

 

7. エメラルドの弱み ★★★★

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

エメラルドは5月の誕生石(=吉田美和の誕生月)。女友達の何人かが同じ人を好きになったこと、自分もその人を好きになったことは言い出せないこと、このあたりを誕生石に転嫁して(言い方が悪い)揺れ動く心を歌ってますね。ていうかそんだけ人気が集中するその意中の相手何者……。どうってことない曲ではあるんですが、「デデデデデデデデデー」をはじめとして音のフレーズが素敵な個所が多くて結構お気に入り。最後のBメロとサビの間にこのフレーズを挟んでくるあたりにセンスを感じます。

 

8. それでも恋は永遠 ★★☆

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

恋について歌った曲はドリカムでは定番です。サウンドに関しては「実にファーストアルバムっぽい」として言えないですけど。「ちょっとHなUnderwear頬を上気させてる」のインパクトが強すぎて他の歌詞があんまり入ってこない。

 

9. IT'S TOO LATE ★★★☆

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

このアルバムでは一番ファンキーなアレンジ。ベースの動きがえげつなすぎる。なんだこれ。この曲はどうしてもサウンドがすごく細かくて面白いんでそっちに耳がいくんですけど歌詞はこのアルバムに入ってるだけあって非常に切なくて、忘れられるように愛さなかったから余計に悲しい的な見方は新鮮というか。このサウンドと歌詞が同居してるのはなかなかすごいんですが作曲自体は吉田美和という驚き。

 

10. 悲しいKiss ★★★

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

そして温度差がすごい大バラード。別れ際を繊細に表現した詞は何度もベストアルバムに収録されるのも納得のでき。ホーンが目立つアルバムの中でもサックスソロがインパクト大な曲。

 

11. STILL ★★★★★

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

ラストはシャッフルのミドルテンポ。かなり未練を残したまま別れてますねこの曲の主人公は。それでも会える機会があるならそのほうがいいというところがほんと健気。曲のほうは構成がなかなかカオスでFのキーで頭サビが始まってそのあと唐突にD♭に移行、D♭→E→D♭→Eと進行して最後にFに戻るんですがこの曲の内容でこれをやるのかっていう。個人的に今作ベストトラック。

 

個人的評価 ★★★★☆

打ち込みの音源の関係でさんざん似通った音色だ云々といっておりますが、裏を返せば非常に統一感があってアルバム通して聴きやすいという点が気に入ってて特別好きでもない曲も含めて1枚そのまま聴くことが多いアルバム。統一感に関してはあえて悲しめの曲ばかり選曲されているというところもありますが。その中で「APPROACH」みたいにポップだったり「IT'S TOO LATE」みたいにファンキーだったりとしっかりバラエティに富んでいて今後の作品群の骨組みがすでに出来上がっている感があります。EPIC時代の8枚のアルバムの中では一番好き。

 

ドリームズ・カム・トゥルー

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