筋書き通りのメモリーズ

アルバム、シングル単位で好きだの嫌いだのを言いたい放題します。

aiko 4th Album 『秋 そばにいるよ』

2002年9月4日発売

 

徐々に安定期に入ってきてシングルもドカンとヒットを飛ばす感じではなくなってきた中で出てきた今作。前作と大きく変わった点としては今までアレンジャーが島田さん固定だったのが「今度までには」で新たに吉俣さんが参加するようになったところ。ただし、作風に大きな変化はなくちょっとバリエーション豊かになったかなくらい。まあ、もともと島田さんのアレンジが幅広いんでそりゃそうなんですけどね。

前作前々作は初回盤のカラートレイの下に書いてある内容はシークレットトラックの歌詞でしたが、今作以降シークレットトラックをやらなくなったのでaikoからメッセージに変わってます。これがあるからaikoのアルバムを買うのやめられへんねや……。

 

1. マント ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

ミディアムテンポだけどなかなかギターのエッジの効いているオープニングナンバー。歌入る前のギターのリフとかとてもロックなアプローチですき。ブラスも随所に出てきてかっこいい。

この曲の空も「黄色い」んですけどこの表現、aikoは気に入ってるんですかね。

 

2. 赤いランプ ★★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

これもミディアムなロックナンバー。ただ、かなり切なくて重い。ドラムの音色がもったりしてるところが曲にとてもあっててよい。基本的にA♭のキーで進行していく中、BメロでFに一瞬転調して明るくなった感じが出るところが逆にせつなくてこれがいいんだまた……。

赤いランプで電池が切れるというところはどうやら、携帯ゲーム機から発想を得ているらしい。ゲームの電池切れから失恋の曲を書くとかほんとすごいっすよ。「たまにあたしを思い出してね/そして小さな溜息と肩を落とし切なくなってね」ってとこめちゃくちゃよくないですか!? 個人的に未練がましい失恋曲がめちゃくちゃ好きなのでその補正はあるんですけど別れてからちょっと沈んでたらいいのに、みたいなの、よすぎる。

あと「2人ナイターの遊園地」ってフレーズ、歌割りの影響もあって「2人泣いたあの遊園地」だと思ってました。いや、これは思うやろ!?

それからゴリゴリな音のわりに地味にこの曲長くて、この先出てくる大バラードをしのぐ6分越えのこのアルバムで一番長い曲になってます。てか、aiko全体で見ても10本の指に入るくらいには長かったはず、いろいろ重たい。

 

3. 海の終わり ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

もうイントロから「海の終わり」感がすごい。具体的な時期は歌詞では明言されてないんですけどアルバムのトータルイメージから見ても秋口の誰もいないようなさびれた海の風景が浮かんでくるよう。というわけでこれもなかなかずっしりした6分ほどのミディアムナンバー。若干前向きなのが救いな感じはあるかも。

 

4. 陽と陰 ★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

9thシングルカップリング

「おやすみなさい」のカップリングになっていた軽やかな曲。重たい曲が多いのでこのくらいの曲でもとても清涼剤に感じる不思議。

悪くはないけど、エッジの強い曲が多い今作では結構薄味に感じられる。

 

5. 鳩になりたい ★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

は、鳩!? なんで!? と、初見のインパクト絶大ですが、まあいろいろあってあたしは鳩や虎になりたいし、僕はなまずになりたいのです。チョイスがすごいよね。

こざっぱりしてて全曲と合わせてこのアルバムを重くなりすぎないように調整してくれる縁の下の力持ち。ただの箸休め化と思ったら結構いい曲なので侮れない。

 

6. おやすみなさい ★★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

9thシングル

そして今作一バラード然としたくっそ重たい曲。このアルバムの先行シングルでは一番最初にリリースされた作品でもあるので、当時からファンだったら次のアルバムどうやっても重くなるだろこれ、と絶対思ってたと思う。

もうね、これはaikoのバラードの中でも最高峰に位置する傑作といってもいい。ひたすら内省的なアレンジと歌詞。別れ際の電話の最後の「おやすみ」なんてめちゃくちゃいいに決まってるじゃないですかあ……(ただのヘキ)。しかもラスサビの入りに「今も好きだよ」なんてやりきれない感じ満載なのやばないですか!?!?!?!??

Bメロの転調からサビで元のキーに戻るところの美しいコード進行といい隙がなさすぎる名曲。

「ロージー」の時に思い入れが強いシングルと書いてましたが、これも同じタイミングで買ってたシングルで思い出補正があるのはご愛嬌ということで。

 

7. 今度までには ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:吉俣良)

11thシングル

こっちはアルバム直前の先行シングル。前述のとおりアレンジャーに初めて吉俣さんを起用した曲です。

でも、あまりにも普通に今までのaiko。ただこの曲は構成が面白くて、2番のBメロが1番に対して極端に短かったり、終わり方が1番のAメロの最初のフレーズだけをリフレインするようになってたり、なんか勉強になります(?)。

 

8. クローゼット ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:吉俣良)

シングル3曲に挟まれて肩身が狭そう……、と思いきやかなり癖のある管楽器が目立つ曲。2番のAメロまでは通常のバンドサウンドは入ってこず、リズム隊がやたらスネアを叩きまくるドラムとチューバみたいな変則的なのになってます。2番のBメロ以降はケロッとバンド入ってくるのも面白いとこ、ホンキートンクなピアノもその辺のアメリカの酒場っぽくていい。

Aメロのひたすら半音ずつベース音が下がってくるコード進行も特徴的、これはクリシェといえるほど凡庸ではないよな……。とにかくシングルに挟まれても負けない輝きを放つ箸休めが箸休めにならない曲。曲の長さが今作に於いては一番短い3分強ってとこもちょうどよくて素晴らしい。

 

9. あなたと握手 ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

10thシングル

ハープの音が軽やかなノリのいい先行シングル。これ、シングルのリリース時期もあるんですけどめちゃくちゃ春を感じるんですよね。重い曲が多いアルバムなんでこういうキャッチーで軽い曲は絶対あったほうがいいんですけど。

ラスサビの後のスキャットがめちゃくちゃ気持ちよくてすき。

 

10. 相合傘 (汗かきMix) ★★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:吉俣良)

3rdシングルカップリング

「花火」のカップリングに入っていた超絶しっとりした曲、なぜかゴリゴリの乾いたロックになって3年越しのアルバム収録、絶対雨降ってへんやろこれ。

いやでもね、この曲びっくりするくらいロックなアレンジと相性がいい。ギターのコードのリフ、かっこよすぎんか??? こういっちゃなんだけど、シングルバージョンは仮の姿やったんちゃうんかと。

原曲にはなかったブリッジが追加されてて、ここの浮ついたコード進行もこのアレンジにジャストフィット。ライブで聴きたいねこれは。

 

11. それだけ ★★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

まーた重いバラードか!! とはいえこれは、愛が重いほうの前向きなバラード、地味に今作には貴重な気がする。

サビで7度の下降を多用しててこんなん歌えるか!!な感じはひしひしと感じる。なんでこれできれいなメロディが成立してるんだ……。

 

12. 木星 ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:吉俣良)

全曲よりさらに音数を減らしてしっとりしたワルツ。これも結構甘めの歌詞ですね、後半も相変わらずしっとりしてるのでそこでバランスをとっているのか(謎解釈)。

AメロのFM7→A♭M7→Am7→D7→……ってコード進行、何食ってたら思いつくんですかね!? そこのぼるん!!?? 勢い任せな曲じゃなくてメロディがはっきり生きてくるバラードだから余計その異質さが目立つ。いや好きなんだけど……。

 

13. 心に乙女 ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:吉俣良)

オルゴールとストリングスだけでさらにしっとりさせてきました、アルバムラスト感がすごすぎる。

前曲に引き続きスケールがでかい愛。序盤が切ない曲多くて終盤でバランスとろうとしてたところにまだ足りないと思ったのかさらにぶっこんできます(違う)。

 

個人的評価 ★★★★★

これ、aikoのアルバムでいっちばんすきです!!! とにかくね、ハズレ曲が全くないと思うアルバムってaikoに限らず今まで聴いてきた中で皆無に等しいんですけど、これは全曲好きといっても問題ない稀有な存在です。統一感もすごいし。

一般に秋って切ないイメージがつきまとうと思うんですが、このアルバムはそのイメージ通りの曲がそろっていて、「あ~~~~秋~~~~そばにいるんや~~~~~」ってなります。年がら年中きいてるけどね。

軽快な曲は少ないので軽く聞き流したい時には向いてないですが腰を据えて聴くにはこれ以上ないアルバム。

 

aiko Singles 1st~8th

アルバム未収録作品はタイトル色を青色にしています。

別バージョンがアルバムに収録済みの曲は水色にしています。

なおめんどくさいのでシングル記事はオリジナルアルバム未収録曲のみの感想になりました。

1st Single 「あした」

1998年7月17日発売

 

1. あした 

aiko 1st Album 『小さな丸い好日』 - 筋書き通りのメモリーズ

 

2. I'm feeling blue ★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

A面曲は実質的にシンガーとして参加しただけ、みたいな感じなのに対してこちらは制作陣もこれ以降の音楽活動と同じような感じで作られた隠れたデビュー曲ともいえる曲。

サビのベースラインがえらいこっちゃになってて気持ちいい。シングルにするには確かに地味だけどすでにいい曲を出す体制は整っていたんだなと。

発売当時は8cmシングルでaikoでは唯一の形態なのだが、2007年にマキシシングル化され、その時にご丁寧にカラートレイの初回盤も制作されている。

8cm盤もマキシ初回盤も探すのがほんとに大変だったよ……。

2nd Single 「ナキ・ムシ」

1999年3月3日発売

 

1. ナキ・ムシ

2. 赤い靴

aiko 1st Album 『小さな丸い好日』 - 筋書き通りのメモリーズ

 

3. 二時頃 ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

電話の受話器越しに浮気されてる曲(身も蓋もない)。けどサビで歌われているそれについて思うことが健気で健気で……。誰やこんな思いさせとるやつは!!!!

「Tinyな女の子」って表現は、実はaikoも敬愛していると言われている松任谷由実の「5cmの向う岸」の歌詞に出てくるそのままなんですよね。この部分についてaiko本人が言及している記事を見たことがないので憶測ですがおそらくここから引用したんじゃないかと。aiko本人に会うことができるならば開口一番に聞いてみたい。

この曲は発売当時からマキシシングルだったものの、ぺらっぺらのスリムケースだったのに対して、翌年2000年に再発された際はほかの現行の通常盤のサイズのケースと同じものになっている。そしてこれもご丁寧にその時に初回カラートレイ盤が生産されていて、こいつがめちゃくちゃ入手困難なんだよ……。

入手したのはスリムケース盤なので本来の初回盤はこれなんですけどね!!!(つよがり)

3rd Single 「花火」

1999年8月4日発売

 

1. 花火

aiko 2nd Album 『桜の木の下』 - 筋書き通りのメモリーズ

 

2. 親指の使い方 ★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

親指ってそうやって使うのか~~!!となりましょう。曲の感じとしては『小さな丸い好日』に入っている曲の延長線上にあるような感じです。「恋堕ちる時」とかその辺。

アルバムを経て若干洗練されてるような印象は受けるかも。

 

3. 相合傘 ★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

こいつのアルバム収録はなんと2002年の4thアルバム『秋 そばにいるよ』。しかも汗かきMixとしてめちゃくちゃロックなアレンジに変貌しています。

その原曲はかなり落ち着いた雨降りな感じを強く感じさせる曲。曲の情景的には正解のアレンジなんだろうけど地味すぎる……。

これの初回盤は左のヒンジ部分?のところに香りのするらしい(もうすでにわからん)玉っころが入ってて、しかも色が何種類かあるという謎仕様。このCDは再発されてないので現在唯一カラートレイ盤が存在しない一般発売のシングル。

4th Single 「カブトムシ」

1999年11月17日発売

 

1. カブトムシ

2. 桃色

aiko 2nd Album 『桜の木の下』 - 筋書き通りのメモリーズ

 

3. 恋人 ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

ピアノ弾き語りのバラード、途中でストリングスがこんにちはしてくる。あまりにも普遍的なメロディ、歌詞。恋人"だった"二人の微妙な距離感、すごい描写です。

2014年にはアルバムのおまけとしてついていたラジオCDにライブアレンジのロックなバージョンが収録されてるんですけど、これがまた普遍的なこの曲の内容にうまくマッチしてていいのよ。この曲はたぶんどう料理してもおいしくなるんだろうな。

このCDから現行初回盤と同じようにカラートレイが採用されるようになりました。通常盤はトレイ透明なことが多いけどこのCDは確か白だった気がする。

5th Single 「桜の時」

2000年2月17日発売

 

1. 桜の時

aiko 2nd Album 『桜の木の下』 - 筋書き通りのメモリーズ

 

このシングルのカップリング曲はインディーズ時代に作られた曲だそう。

2. アイツを振り向かせる方法 ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

めっちゃビッグバンドジャズって感じの派手なアレンジ。アイツに振られてるのに根気よく狙い続けるその様、かっこいいぜ……。いや、往生際が悪いのか……??

こんなキャッチーな曲を長らく入手困難にしていたなんてもったいなすぎるわ。はい撤収。

 

3. more & more ★★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

打ち込みで渋谷系をやってみました的なアレンジの曲。マジでなんでこんなキャッチーな曲をこんなとこで消費したの!? もったいなすぎるわ!!!!

あなたもわたしも今日から※◇☆△♀♯○※◇☆△♀♯○※◇☆△♀♯○※◇☆△♀♯○

生産限定盤だったのでカラートレイ仕様しかありません。歌詞カードになんか高そうな和紙が使われている。

6th Single 「ボーイフレンド」

2000年9月20日発売

 

1. ボーイフレンド

2. 密かなさよならの仕方

aiko 3rd Album 『夏服』 - 筋書き通りのメモリーズ

 

3. 前ならえ。 ★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

これといって特徴がないといいますか、この時期のアルバム曲にはよくあるよね~みたいな感じの曲。

7th Single 「初恋」

2001年2月21日発売

 

1. 初恋

2. アスパラ

aiko 3rd Album 『夏服』 - 筋書き通りのメモリーズ

 

3. 脱出 ★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

シンプルで無骨なロック、もうそれ以外出てこないっす……。

意外とアコギがジャカジャカなってたりエレピソロがあったり面白い要素はあったりする。

8th Single 「ロージー

2001年5月30日発売

 

1. ロージー

aiko 3rd Album 『夏服』 - 筋書き通りのメモリーズ

 

表題曲がインディーズ時代のリメイクだからかカップリング曲もすべてインディーズ時代の曲となっている。

2. キスでおこして ★★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

アルバムのページでも書いたんですが、この「ロージー」のシングルが初めて聴いたaikoのシングル盤だったのでとにかくこの曲も思い入れが深くて一番好きな曲といっても過言ではないかもしれないレベルで好きです。

とにかく多幸感にあふれるサウンド、アウトロの長いスキャット、いろいろ不安だとかそういうのはあるけれども全部ひっくるめてあなたのことが好きです、みたいな歌詞、全部がうまく調和して一つの大きなパワーのある塊として成立してるような感覚があります。

インディーズのバージョンは全部打ち込みでこざっぱりしてるので初めて聴いて拍子抜けするレベルでした。あれはあれでいいけどね。このメジャーのバージョンのブラッシュアップを感じられるし。

 

3. あの子へ ★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

こちらはとても内省的なナンバー。思いの重たさはなかなか。

正直前2曲が強くてあんまり聴いてないとこはあったり←

収録アルバム

黒文字のままで書いている曲は大体『aikoの詩。』に収録されてます。

「二時頃」のみ、『まとめ I』収録、人気高かったから最初のベストにも当然のように入った感じですね。

aiko 3rd Album 『夏服』

2001年6月20日発売

 

前作『桜の木の下』をリリースしたあと、最初のシングル「ボーイフレンド」はハーフミリオンを売り上げるシングルとしては最大のヒット曲になり、その後も「初恋」「ロージー」と順調にリリースを重ねた後に今作が発売された。

今作もボーナストラックが最後に入っており前作同様初回盤ではカラートレイの下の紙に歌詞の記載があるそこ開けるの怖いねんて

 

1. 飛行機 ★★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

開幕に壮大なミディアムバラード。もうこの曲ほんと好きでイントロのマリンバから哀愁やばいんですよ。なんかこうちょっと鬱屈とした感じにAメロBメロと進んでいって、サビでいきなり解放されたようにカノンコードで情緒を爆発させるカタルシスっていうんですか、やばい。「青い空真っ白な鶴が舞う」、これだけであんなにも大切だった「あなた」が遠くに行ってしまう情景が浮かぶじゃないですか。けど、歌詞を全部見ると自分がそういう状況を生み出してしまったことへの後悔や未練が感じられるところがまたいいんですよね。曲と詞のシナジーがこれ以上ないってくらい発揮されている間違いない名曲です。

まあ、そんな強すぎる曲なのでアルバムのリード曲としてMV制作されてるんですけど、このMVがなんともシュールで中国マフィアちっくなaiko怪盗団的なのが出てきてそれが大真面目にいろいろやってるもんだから曲との乖離がすごくてこれも違う意味でやばい。

 

2. be master of life ★★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

圧倒的ライブ用曲!!! 上昇してくパワーコードが気持ちいい~~~。

かと思ったらBメロでいきなりポップスっぽいコード進行を始めるのでそこはとってもaikoです。

後半ちょこちょこ入ってるコールみたいなのはベスト盤収録時に取り除かれたので、より純粋に曲を楽しみたい人にはそっちがおすすめ。どっちみちぶちあがるんでそこまで気にならんかもしれん。

 

3. ロージー ★★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

8thシングル

インディーズ時代の曲をシングルA面でリリースしたのはこの曲くらいかな?

ロージーってのは男の子らしいです。

この曲の聴きどころはなんといってもラスサビのメロディ変化からのバカみたいに長く続くアウトロのスキャットです。こんだけやっといて最後にそのロングトーン!?!??ってのが気持ちいいのでぜひ。

個人的にはaikoのシングルを漁りだしたときに一番最初に聴いたシングルがこれだったのでその思い入れもあってとてもすき。

 

4. 密かなさよならの仕方 ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

6thシングルカップリング

ハチロク(8分の6拍子)のミディアムナンバー。ハチロクの曲ってaikoだとバラードバラードしてることが多いんですけど、これはなんかカラッとしてるというかサビは結構温度高いかなって感じはするんですけど全体的にはのっぺりしてます。

そのサビとサビ以外のコントラストがこの曲の妙で、あまりにもガラッと変わるので「!?」です。アウトロもこれフェードアウトちゃうんかい!!って感じで面白い展開が続く曲。

 

5. 終わらない日々 ★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

恒例の中盤おとなしいコーナー。なんでしょうねえ、この時期の曲は結構派手なアレンジでも地味に聴こえることが多い……。

 

6. 心日和 ★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

なんかウキウキした気分のタイトルに曲なんですけど、歌ってることは意外とどんよりしてるというか、サビ雨降ってるとは思えない感じの湿度でしょこれ。天気雨みを感じる曲。

 

7. September ★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

本作一しっとりした曲。これもハチロクでとにかくハチロク曲が多いアルバムだなこれ。歌詞に「ナキ・ムシ」なんて出てくるのは過去作を知っていたらにやりとできる箇所。とかく切ない。

 

8. 雨降るオーバーオール ★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

これも雨のしっとりした曲。ハチロクではないがシャッフルでもったりしたリズムがいつまで続くねんといった気持ちになる。これが聴く梅雨なのかaikoよ。

 

9. アスパラ ★★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

7thシングルカップリング

一転、夏のうだるような暑さを想起させるノリのいいハーフタイムシャッフル。いやね、これリズム気持ち良すぎでしょ。

歌詞も誰でもあー!!!ってなるような学生時代の淡い一コマを描いたもので、わかりやすい。けど「アスパラ」は歌詞中に一切出てこないんですよねこの曲。確かお弁当に入ってるやつみたいなニュアンスだったかな。

 

10. ボーイフレンド ★★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

6thシングル

言わずと知れた最大のヒット曲。バンジョーの音が印象的でMVから受ける印象も相俟って完全に西部劇ですよね~~。

誰でも知ってそうなサビのテトラポット登るとこ、メロディがどう考えてもえげつないんですよね。こんなのをポップスに昇華するaikoやばすぎる。

特にサビは音程の上下も激しくてこんなんボーイフレンドついてこれへんやろって感じです。

 

11. 初恋 ★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

7thシングル

この曲も「ロージー」のシングルと同じタイミングで入手してたんですけど、こっちは全然刺さんなくてうーん……となっていた記憶。いや、ベストで聴いていた後ではあるんですけど、にしてもよ。今はまあとっても普通の立ち位置の曲。

この曲もハチロクで一番わかりやすく規模の大きいバラードですかね。いやあ甘いなあ、甘ったるい。アルバムの表向き締めでこの曲はクソデカすぎる。とはいえ他に置く場所に困りそうな代物ではあるんだけど。

 

12. 夏服 ★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO)

「初恋」が終わって2分経つと流れ出すボーナストラック。超絶ヘビーな前曲を中和するかのようなピアノ弾き語りのさわやかな曲。ちょっとせつない。

この曲は前作の「恋愛ジャンキー」とは違って公式にも触れられてないどっちかっていうとシークレットトラックに近い存在。トラックわけといてほしいんだけどなあ←

 

個人的評価 ★★★

基本的には前作と同じような構成。中だるみはやっぱり感じずにはいられない。けどこのアルバムは冒頭がミディアムの切ない曲だったりで前作よりは聴きやすい。

タイトルの『夏服』からさわやかであってもいいように感じるけどどちらかというと梅雨を感じさせる1枚。つーか「飛行機」がよすぎてトップヘビーを感じるけど、もしかしてそこで「初恋」を後ろにおいてバランスとってる? そう考えると随分豪快なアルバムだあ……。

 

aiko 2nd Album 『桜の木の下』

2000年3月1日発売

 

前作『小さな丸い好日』のあとにリリースしたシングル「花火」がスマッシュヒットして続く「カブトムシ」「桜の時」も安定したヒットを飛ばし知名度を抜群に上げた状態でリリースされたのが本作。その売れ行きたるや凄まじく、現在でもaiko唯一のミリオンヒットを記録した作品です。

アルバムでは今作からカラートレイが採用、一応隠しトラック扱いの「恋愛ジャンキー」の歌詞はブックレットに歌詞の記載がなく、初回盤ではなんとカラートレイを外して何やら紙が二重になっているところがあるのでそこに歌詞が書いてあるというケースを壊しそうで怖い仕様になってます。通常盤は帯の裏に書いてあるらしい。

このカラートレイ裏の仕様は内容をaikoからのメッセージなどに形を変えつつ2025年現在最新作の『残心残暑』でも健在です。CDを買って実際に見たくなる仕様、にくい……!

 

1. 愛の病 ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

1曲目から疾走感のあるロックナンバーでぶっ飛ばしていきます。けどこの曲に関してはベスト盤の『まとめ』に入ってる再録バージョンがめちゃくちゃテンポアップしたバージョンで入っているので、そっちを先に聴いてしまった私は「おっっっっっっっっっそ」ってなりました。っていうか『まとめ』の再録曲は全般そんな感じなんで以降も何曲かそういう曲が出てきます。

曲はめっちゃわかる~~~な恋のどうしようもないやり場のない不安みたいな感じを歌ってます、あとAメロがいきなりA♯m7(♭5)で始まる下降形のクリシェでなかなか不安定な感じがして面白い。

 

2. 花火 ★★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

3rdシングル

言わずと知れた代表曲。aikoの曲といえばこの曲か「カブトムシ」を挙げる人が大半のイメージですね、最大のヒット曲「ボーイフレンド」くんェ……。

曲も相当技巧的。ハーフタイムシャッフルで体が自然に揺れる横ノリで早口にまくしたてる歌もリズムが気持ちいい。星座にぶら下がって花火を見ようなんて思うのはaiko以外なかなかいないよね。しんどい片想いを独自の視線で書いているのにわかりやすいっていうのはずるい。

この曲はピアノで弾き語りするのが非常に気持ちいいのでぜひみなさん試してくださいまし。

 

3. 桜の時 ★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

5thシングル

シングルとして発売されてますが、生産枚数限定だったので一瞬で消えたそうな。そんなところにアルバム未収録のカップリングをぶち込んでるもんだからサブスク解禁まではかなり貴重な音源になってました。

曲自体は歌謡ロックって感じのシンプルでわかりやすい曲です、でも正直春感あるかこれ?

 

4. お薬 ★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

ストリングスのデンデン!っていう2連のリズムがめちゃくちゃ印象的な曲。

ピアノの感じが好きなくらいであとは取り立てて触れるとこがないなあ。

 

5. 二人の形 ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

イントロがドラムメインのフェードイン。かなりスローテンポのバラードなんですけど、歌詞もかなり重みがあります。「あなたにはあたししかいないなんて/そんな事は到底言えないけれど/今のあたしにはあなたしかいらない」、このアンバランスな感じ、よすぎでしょ???

地味でおとなしい音作りながらもアルバムの中盤をぐっと引き締めるいい曲。

 

6. 桃色 ★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

4thシングルカップリング

無骨なミディアムナンバー。これわざわざアルバムに引っ張ってくる必要あった?と思わんでもないですが、まあアルバムのコンセプトにはあってるか。

aikoにありがちなトニックコードからいきなりIV♯m7(♭5)に飛んでくるとこがシンプルに気持ちいい。

 

7. 悪口 ★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

アコギメインの音数少なめ箸休め曲。が、意外と使ってる楽器の数は多そう。箸休める場所が変というかこの辺ずっと中だるみ感あってのこれはなかなかきついで。

 

8. 傷跡 ★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

イントロが5拍子で、Aメロに入ってからは3拍子や5拍子などを行き来した挙句、間奏で4拍子になるなんかめちゃくちゃな曲。ここまでやりたい放題だと曲の骨組みしか耳に入ってこないのよね……。

 

9. Power of Love ★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

インディーズの時にリリースした曲を生楽器を増やして再録。これは絶対こっちのほうがパワフルでいい。タイトルの通りパワーがみなぎってて歌詞がめっちゃ若い……。「海をハサミで切ってLove letter書こうかな」みたいなaiko特有のハッとする表現もしっかり備えてて安定の品質。

 

10. カブトムシ ★★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

4thシングル

こちらも代表曲。「花火」と違ってバラードというところで差別化されていて場面によって使い分けられている感じがある。

サウンドに関してはあまりにもお手本のようなロックのバラードなんでいうことがあんまりない……。「あなたが死んでしまって/あたしもどんどん年老いて」っていう歌詞のスケール感は毎度毎度すごいよなあと思わされますね。

 

11. 恋愛ジャンキー ★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

公式に「えせボーナストラックちっく」というなんかよくわからん肩書を与えられている、「カブトムシ」が終わって1分経つと同じトラック内で流れ始める隠しトラック。全体的にゴリゴリロックのサウンドが多い中でも一番とがってんじゃない?って感じのゴリゴリな曲。

原曲でも尖りに尖っていらっしゃるんだけども、2016年のアルバムの特典で再録された際にはよりライブに近いサウンドで録り直されているのでそっちのほうが好きだったり。何よりトラックちゃんと分かれてるし←

 

個人的評価 ★★

「花火」「カブトムシ」「桜の時」といったキラーチューンがそこかしこにある贅沢なアルバムなんだけど、そいつらが強すぎてアルバムのトータルバランスが残念というか、中だるみがやばくないかこのアルバム。

個人的には「愛の病」「花火」だけでおなか一杯になっちゃってアルバム単位では全くと言っていいくらい聴かない。これ書くにあたってめちゃくちゃ久しぶりに通して聴いたんだけども統一感はとてもよかった。ただ、その統一されている系統がゴリゴリのロックなので結構疲れる。と、考えるとやっぱ箸休めは必要なのか……。aikoのアルバムでも短いほうなんだけどそれでも時間以上に濃い1枚。

有名シングルが気になってアルバム聴こうと思うんなら私は『まとめ』か『aikoの詩。』といった各種ベスト盤を勧めます。そこでどっぷりはまってしまった時に聴くくらいがちょうどいい、このアルバムは。

 

aiko 1st Album 『小さな丸い好日』

1999年4月21日発売

 

1998年に唯一他人が作曲した曲「あした」でデビューしたaikoカップリング曲ではすでにその作曲の才能をいかんなく発揮してましたが、自作曲でのシングル「ナキ・ムシ」を発売して、そのあとに発表されたのが本作。

セールス的には振るわずといったところですが、すでにaikoです。もうほんまめっちゃaiko

ブレイクして以降、何度か再発されていてわかりやすいところだけでいうとタイトルが白文字なのが文字通りの初回盤、青文字なのがブレイク以降に再発された復刻初回盤でおそらく中古市場ではこれが一番見かけるんじゃないかな?(さらに何種類か仕様が違うものがあるらしい) 赤文字のものは2008年に10周年記念で再発された復刻盤です、これはほんと見かけないので見つけたら即購入レベルですね、1回か2回見かけたんで一応拾ってます。今でこそaikoのCDの初回盤といえばカラートレイが定番ですが、このアルバムはまだいろいろ模索してる段階だったのか三面デジパックです。この仕様、場所取らないし扱いやすいから好きな仕様なんですけどねえ。

 

1. オレンジな満月 ★★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

いきなりティンパニドコドコで癖のあるイントロ。実質的なタイトルチューンでずばり「小さな丸い好日」と歌詞に歌われてます。

なんですかこのメロディのキャッチーさは!? オレンジな満月って表現でもう非凡といいますか、これにのめりこんだら最後、今後aikoなしでは生きていけない体にしてやりますよってレベルでaikoです、語彙力こわれる。

 

2. ジェット ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

この曲、のちのベスト盤『まとめI・II』でライブ用アレンジにリメイクされててめっちゃくちゃ疾走感のあるアレンジになってるんですが、その原曲のこちらは打ち込みメインのなんかふわふわした感じのアレンジ。スネアがスッパンスッパン言ってるんで疾走感はあるんだけれども、まだ磨ける、みたいな雰囲気ですね。

aikoの空の表現ってめちゃくちゃ癖が強い印象なんですけど、この曲も「黄色い空」って歌ってて独特すぎる……と唸らされました。

 

3. 私生活 ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

情念が強いというかすっごいパワーのある女だなあ……って歌詞。いや恋はこういうもんやろってツッコミは受け付けません。アレンジとかコード進行は結構軽やかでするっと聴けるんですけど時々入ってくるノイジーなエレキがあおってる感じがしておいしいですよね。

そこ含めても全体的にのっぺりしてるわりに6分近くあってなかなか食後感はヘビーな1曲。

 

4. 歌姫 ★★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

ピアノのコードリフからしっとり始まる情念系バラード。バンドサウンドとして最低限の装いといった感じで最大限コード進行の美しさやメロディと歌詞のパワーを感じられるアルバムの前半をきゅっと引き締めるいい曲なんじゃないかと。

「届かない想い心ごと」のとこのメロディなんて何喰ってたらおもいつくんですかね?? これベストに入ったとは言えアルバム曲にしとくにはもったいないですよ。

 

5. 赤い靴 ★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

2ndシングルカップリング

「ナキ・ムシ」のカップリング曲としてリリース済みの曲。ギターが全編を覆いつくしてすごく衝動的な雰囲気を漂わせてます。うん、歌姫とイジ天に挟まれるなんて不遇な曲だね……。箸休め感がこれ以上ないってくらい漂ってる。

 

6. イジワルな天使よ 世界を笑え! ★★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

初期のライブの定番曲。めちゃくちゃブラス吹き鳴らしててそら盛り上がるわな。ワウのきいたギターがリズミカルでつい体が動いちゃうもの。

aikoの曲にはめちゃくちゃ多いんですけど、パワーコードとかでブルースっぽく攻めるのかと思えばベッタベタにポップスのコード進行に落ち着くこのバランス感がなんとも言えず心地いいんですよね。

 

7. 恋堕ちる時 ★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

イジ天でひとしきり盛り上がったらあとはミディアム攻めの後半。正直この曲悪くはないんですけど圧倒的に地味で語ることがない……。

 

8. 夏にマフラー ★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

なんすかこの甘ったるい歌詞!!! こら夏にマフラーしてるくらいあっついあっついわ!! って感じで、歌詞中に実はマフラーは出てこないんですけどそれくらいあつい表現だとかなんとか。ホ長調のミディアムテンポでバンドサウンドやると必然的にエモになっていいですよね~。

2番サビ前に挟まる1拍がおいしい。

 

9. ボブ ★★

(作詞:AIKO/作曲:AIKO)

なんやねん、いきなりC7鳴らすって!! エレピによる弾き語り曲。このボブってのは髪型のボブですね。あまりにも内省的といいますか、これくらい静かな弾き語りが確かに一番合うかもって曲。

 

10. ナキ・ムシ ★★★★☆

(作詞:AIKO/作曲:AIKO/編曲:島田昌典)

2ndシングル

初の自作曲シングル。めちゃくちゃド直球にいいバラード。キーも同じである「歌姫」が若干変化球ならこちらはストレート。ただしサビのコード進行メロディはバグり散らかしてるんですけど。Bm7→G♯m7(♭5)→C♯7→F♯m7→A/B→B7→……なんて実質デビュー曲みたいな曲でやらんのよ普通。

それでいてしっかり説得力のあるバラードなんだからほんとこわいっすよこの人。

 

11. あした ★★★★

(作詞:AIKO/作曲:小森田実/編曲:小森田実)

1stシングル

ワンショット契約だったとかなんとかでいろいろ他からは浮いてるいわくつきのデビュー曲。近頃は積極的にライブでも演奏するようになったので今ではそんなこともあったね程度なんでしょうけど、曲単体で見ると普通にいいんですよねこれ。小森田実さん作曲だし。気づいたら「あーうー」って言ってるなかなかの中毒性を持ったいい曲だと思います。

 

個人的評価 ★★★★★

もうこれaikoとして完全に完成してるよね?? 如何せん生でやったほうがよさそうなところが打ち込みだったりして低予算感はあるもののそのおかげで統一感というかアルバム1枚通して非常に聴きやすいです。次のアルバムはともかくそれ以降は1時間前後がデフォルトなのに対してこいつは50分ほどと確かaikoのアルバムでは一番短かったかな。1枚目にこんな高評価つけてあと大丈夫か?って思われるかもしれませんがまだこれより好きなアルバムがあるんで恐ろしいんですよaikoは……。

 

 

the brilliant green 2nd Single「goodbye and good luck」

1997年12月1日発売

 

デビュー作から2ヶ月ちょっとでのリリース。前作と同じく4曲入りマキシシングルで全曲英語詞。前作はあっさりした曲が多かったけど今作は全体的に湿っぽい。次回作がヒットを飛ばすのもうなずけるキャッチーさはすでに見え隠れしている気がする。

 

1. goodbye and good luck ★★★★☆

(作詞:川瀬智子/作曲:奥田俊作/編曲:the brilliant green)

イントロから爆音のアコギが鳴り響くかと思えばめちゃくちゃノイジーなエレキが入ってくるけどめっちゃバラード。PVよろしく冬の窓が曇った感じが想起される別れ際の歌です。それでいて前向きな感じがする不思議な曲。

純粋にメロディが強くてすき。

 

2. YES ★★★

(作詞:川瀬智子/作曲:奥田俊作/編曲:the brilliant green)

このCDだと唯一軽いノリの曲かな? サビでイエスエス言ってんのが強すぎてそれ以外の印象全部消し飛ぶ……。アウトロのリフなんかは我ロックバンドぞ!!って主張激しめのシンプルなパワーコードの音構成でいいと思うけどそれくらいしか言うことがない。

 

3. I NEVER DREAMED ★★☆

(作詞:川瀬智子/作曲:奥田俊作/編曲:the brilliant green)

人死んでるでこれ!! とにかく頽廃的といいますか、なんかこう淡々としてるところが怖いんですよねこれ。ちゃんと悲しんでいるんだけど、曲がそれを許してないというか。曲と詞の組み合わせの妙を感じる1曲。

 

4. MISTER MOON ★★★★☆

(作詞:川瀬智子/作曲:奥田俊作/編曲:the brilliant green)

そんでなぜかこんな辺境の地に収録されているめちゃくちゃキャッチーな名曲。一応夏を振り返る歌詞もあるのに月ときいて秋を連想するのは日本人的感性なのかしら。というかサウンドの温度が秋なのよ。

間奏のアコギソロといい哀愁がいい感じでたまらん。

 

個人的評価 ★★★★☆

前作に続いて変則的なシングルながら今作はより1枚で聴けるというかブラッシュアップしてる感じがあってミニアルバムといえるくらいの充実感。先に知名度を上げてからのリリースだったらどういう売れ方をしたのか気になるなというない"if"を考えたくなる、正直1stアルバムよりも好きな1枚。

 

the brilliant green 1st Single「Bye Bye Mr. Mug」

1997年9月21日発売

 

1997年、まだシングルCDが8cmCDの作品が多かったこの時代に全曲英語詞の4曲入りのマキシシングルをデビュー作としてリリースする尖りに尖った方法でメジャーデビューを飾ったthe brilliant green

次回作も同じように4曲入り英語詞のシングルをリリースするも売り上げなどから「これではアカン!」と判断されたのか、さらに次のシングルはドラマタイアップ、初の日本語詞、8cmCDといういかにも普通な売り方で大ヒット。いやあ、やりたいことをやるにはまず名前を売るのが重要というのが思い知らされます……。

 

そんな経緯もあってこの作品と次回作の2枚はオリジナルアルバムに一切収録されず、シングルというよりかはミニアルバム的な趣の作品なのでアルバムと同じように単品で記事にしてます。

 

1. Bye Bye Mr. Mug ★★★★☆

(作詞:川瀬智子/作曲:奥田俊作/編曲:the brilliant green)

いかにもブリティッシュロックですよ~というような乾いたエレキが印象的なタイトル曲。4曲の中では圧倒的にシングル向きというかキャッチーなメロディになるように書かれている印象があります。日本語で歌ってないのでいまいち歌詞がわからないって思うけどサビ頭がタイトルなんで何となく口ずさめますからね。

1番終わりから長い間奏ギターソロ(これがいいのよ、すごいのよ)を挟んだと思ったらプライマリーブリッジに飛んでそのままラスサビへ、何なのデビュー曲にして悟り開きすぎじゃないこの構成? それでもってなんか足りないなーって感覚はないからね。英語詞なんでそりゃ知名度のないバンドのデビュー曲としてはウケないだろうけど名前売ってからだと普通にいけたでしょこれ……。

 

2. sunny mood shirt ★★

(作詞:川瀬智子/作曲:松井亮/編曲:the brilliant green)

イントロのベースフレーズを聴け的な曲。とは言っても薄味が過ぎる。4曲の中で唯一ギターの松井さん作曲ですがたまに出てきてめっちゃくせのある面白い曲を置いていくので存在としては非常に大事、でした。この曲は個人的に刺さってないけど。

 

3. love baby ★★☆

(作詞:川瀬智子/作曲:奥田俊作/編曲:the brilliant green)

セブンスコードにインパクトを感じる。イントロの「タタラタラー(ry」ってコーラスもなんかやたら耳に残るし。川瀬さんは川瀬さんでめっちゃだるそうに歌うし。ってわりといつもかな?

 

4. GREEN WOOD DIARY ★★★

(作詞:川瀬智子/作曲:奥田俊作/編曲:the brilliant green)

これをエンディングに持ってくるのは正解。一番こざっぱりとしてて、かといってあっさりしすぎるでもない絶妙に強めのメロディでエンドロール感があっていいですね。

 

個人的評価 ★★★

このシングルはもうほぼ表題曲ばっかり聴いてます。それならベスト聴いてりゃええがな。でもたまに1枚通して聴いてみると4曲しかないというのもあって起承転結がしっかりしてるというかめちゃくちゃ聴きやすいんですよね、ある種聞き流しやすくもある。ドライブなんかにはすごくいいんです。結局『THE WINTER ALBUM』ばっか聴いてるけど。

Bye Bye Mr.Mug

Bye Bye Mr.Mug

Amazon

GARNET CROW Singles 1st~6th

アルバム未収録作品はタイトル色を青色にしています。

別バージョンがアルバムに収録済みの曲は水色にしています。

1st Single「Mysterious Eyes」

2000年3月29日発売

 

1. Mysterious Eyes ★★★

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

メジャーデビューシングルとしていきなりコナンオープニングのタイアップ付きでドーンとデビュー。なんというかさわやかですよね。この曲を聴いてシングルやアルバムを手に取ってみた人はたぶん人によっていろんな意味で裏切られたんじゃないかな……。リアルタイムでは全然知らなくて後追いだからこそこういう側面もある、程度の認識なんですけど。

 

2. Timing ★★★★★
(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)
で、そのメジャーデビューのカップリングには軽快なリズムにクッソ重たい内容のやりたいことを好きにやってます的な曲。これがすごくて。のちの「Holding you, and swinging」あたりにつながっていくR&Bの雰囲気のある曲の先駆けというか、B面って「こういうのもやります」って意思表示の側面があると思うんですがそういう意味では珍しい方向性ですね。確かに1stにつながっていくようなサウンドの原型みたいなものは感じ取れて後追いの感覚からするとちゃんとGARNET CROWの感じはあります、七さんはすでに諦観したような詞を書いてますしね。二人の距離の離れていく速度が見えるような。ブリッジの「私の声は君に届かなくなる」部分の歌い方が初期ならではのぎこちない声の張り方ですっごく好き。とまあ総合的に見て名曲だと思うんですけどなんでカップリングベストには入らなかったんだ!! ちょうどGARNET CROWを聴きだしたのがカップリングベストが発売される直前くらいでファン投票には参加しないまま初めてリアルタイムで買ったアルバムだったんですけど今思うとこれ入ってないのほんとに惜しい。まあでも投票できてたら「Float World」や「祭りのじかん」あたりにいれてるな……。 
Mysterious Eyes (日本テレビ系アニメ「名探偵コナン」オープニングテーマ)

Mysterious Eyes (日本テレビ系アニメ「名探偵コナン」オープニングテーマ)

 

 

2nd Single「君の家に着くまでずっと走ってゆく」

2000年3月29日発売

 

1. 君の家に着くまでずっと走ってゆく ★★★★

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:Miguel Sá Pessoa、古井弘人)

デビュー作のもう1枚はインディーズ曲のリアレンジ、どちらかというとカップリング曲のような役割のシングルですね。ピザ食べる曲。

 

2. in little time ★★★★★

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:Miguel Sá Pessoa、古井弘人)

こちらも音数少なめの落ち着いた曲。ていうかなんでこの曲はこんなとこに突っ込んだの? シングルにするにはインパクト的には弱いところもあるけどアルバムの重要な位置に置かれても全くおかしくないの曲。リズムはパーカッションとうっすら入るベースのみでドラムの入ってない曲って実はこの曲くらいなんじゃないかと思う。ピアノとシンセ、あと声で盛り上がりをしっかりつくってます。てかギター入ってない、岡本さんはいずこ。そして歌詞は暗い、悲しさとともに強さも感じさせる内容かなと思います。歌詞カードには実際には歌われていない「きっと果てるのいつの日にか in little time」という一節があってかえって印象に残ります。

君の家に着くまでずっと走ってゆく

君の家に着くまでずっと走ってゆく

 

 

3rd Single「二人のロケット」

2000年5月17日発売

 

1. 二人のロケット ★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

上記2シングルから1ヶ月半でリリースしたのはインディーズアルバムからシングルカットした曲。純粋な形でのシングルカットはこの曲がキャリア唯一ですね。「とりあえずなんかシングルだしとけ」はないこともないというか、まああのアルバムから切るのはこの曲が妥当でしょうね。他はシングルで出すには地味というか伝わりにくい。

 

2. 未完成な音色 ★★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

相変わらずカップリングにパワーのある曲を突っ込んでくるスタイル。この後に出ることになるアルバムから考えたら意外なんですけどアコギが使われてないです。エレキのツインですね。初期の名曲としてかなり人気が高い曲ですけど意外と6thとかその辺のロック色の強い作品の源流なんじゃないかな。GARNET CROWの歌詞にはきわめてフォーカスされやすい「私」と「君」ですが、毎度毎度感じるのは「私」と「君」以外の存在が果てしなく遠い。七さんっぽく言うならば「孤独」とかいて「ふたり」とでも読めるんじゃないかというような空気をまとった曲が多く感じます。たとえば「他の誰に愛されても」という節がありますが、この「他の誰」って影も形すらもぼんやりとした存在な気がします。こういうところが主眼じゃないのかもしれないですがGARNET CROWってそうだなあというのはこういうところに強く感じます。

 

3. 二人のロケット ~cool smooth ver.~ ★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:Miguel Sá Pessoa、古井弘人)

おまけ。その名の通りクールでスムースなバージョン。ミゲルさんメインのアレンジで楽器隊もそっちで用意したみたいです。流麗なシンセとピアノ、柔らかいコーラスでヒーリングミュージックのような原曲と全く違った味わいです。その他明確な違いは間奏の歌詞ですね。「So we call it paradise we go on paradise」以降原曲は「we go on paradise」の繰り返しですがこちらは全く違う歌詞がのってます。歌詞カードに記載はないですがアレンジが静かなんで聞けばわかる(とおもう)。

二人のロケット

二人のロケット

 

 

4th Single「千以上の言葉を並べても…」

2000年9月27日発売

 

1. 千以上の言葉を並べても… ★★★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

デビューから少し落ち着いて4ヶ月ぶりのシングルですがここから怒濤のリリースで手始めにまずこのシングル。アルバムのほうにも書いてますがシングルとしては異様に地味。申し訳程度のタイアップがついたから切っただけなのか……。曲自体は大好きですよ。

 

2. blue bird ★★★

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

今作はカップリングも負けず劣らず地味。サビのハモリが岡本さんです。今後もちょくちょくコーラスしてますがこの曲が最初かな? 地味に相性はいい。曲や歌詞は安心感を得ることができそうなふんわりとした柔らかさです。まあそんな曲でもAのトニックから急にB♭mに転調して緊張感のあるコード進行を歩む豪快な構成なんですけどね! 七さんはその辺しっかりくみ取ってその部分をカラッとした歌詞に仕上げてます。

千以上の言葉を並べても・・・

千以上の言葉を並べても・・・

 

 

5th Single「夏の幻」

2000年10月25日発売

 

1. 夏の幻 ★★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

前作から1ヶ月足らずでまたシングル。こちらは2回目のコナンタイアップ、今回はエンディングですね。年齢的なこともあって当時流れてたとかは全然覚えてないです。が、映像と一緒に流れてるこの曲はインパクト強いです。secret arrange ver.が好きすぎるのでこっちのバージョンは自分の中ではむしろ別バージョンです(暴言)。

 

2. hi-speed スペシャル oneday ★★★★

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

シンセブラスが印象的な軽やかな曲。しかしタイトルはクセがすごい。スペシャルだけカタカナって常人には思いつかなくない? 暗いとこが目立つGARNET CROWなんですがそれと同じくらい謎の明るさを感じる。この曲は別にそんな描写はないんですが白い部屋で白い出窓(観音開きのアレ)を開け放って、ほんのり雲がかかった青空で、いつものようにけだるい朝食とってーみたいな。そういうのもあると思うんです。あとこの曲は「近頃 疲れるの」のあとの「ヤッ!」がかわいい。

夏の幻

夏の幻

 

 

6th Single「flying」

2000年11月29日発売

 

1. flying ★★★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

またしても1ヶ月でシングルリリース、3ヶ月連続リリースの最後の曲。ゲームのオープニングタイアップですね。確かゲームではもっとラフなアレンジでそれはそれで味がある雰囲気だったんですが、リリースに際してかなり入り組んだアレンジになってます。イントロのピアノのフレーズなんかは追加されたそうですがかなりこだわったみたいですしね。シングル盤が珍しくピクチャーレーベルになってて好き。あとジャケットにゆりっぺと七さんしかいないのも珍しい。

 

2. Cried a little ★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

「dreaming of love」をテンポアップして軽やかにした感じの曲。暗い曲を聴こうって時にわざわざこの曲を選ぶほどではないです。でもやっぱり歌詞には考えさせられて、「不自由な自由」ってなんやいね、不自由ってどういうことやねん、って思って周辺の歌詞を見渡すと「誰も傍にいない週末の夜は」とか並んでるんですね。だから実際には自由なんですけど「君」がいなくなっておりまして、その幻影にとらわれて抜け殻みたいになっちゃってるんでしょう、それは不自由ですね。「晴れやかに」なんて歌ってますけど、こんなん「私」自身が「どこがやねん」とツッコむくらいの口から出まかせなんじゃないですか、たぶん。

flying

flying

 

 

収録アルバム

A面曲は全曲オリジナルアルバムと各種ベストアルバムに収録。「二人のロケット」についてはオリジナルアルバムには別バージョンが入ってる代わりにインディーズアルバムに同じバージョンが入ってます。

THE ONE ~ALL SINGLES BEST~

THE ONE ~ALL SINGLES BEST~

 

 「in little time」「未完成な音色」「blue bird」「hi-speed スペシャル oneday」はカップリングベストに収録。

GOODBYE LONELY?Bside collection?

GOODBYE LONELY?Bside collection?

 

 「Cried a little」は『All Lovers』収録。

All Lovers

All Lovers

 

 他にも入ってるアルバムあるけど今から集めるならこの3枚とオリアルで大体揃う。

GARNET CROW 1st Album『first soundscope ~水のない晴れた海へ~』

2001年1月31日発売

 

 『first kaleidscope ~君の家に着くまでずっと走ってゆく~』発売後の2000年3月29日、「Mysterious Eyes」と「君の家に着くまでずっと走ってゆく」の2枚のシングルを同時に発売し、メジャーデビューするGARNET CROW。とりわけ「Mysterious Eyes」は『名探偵コナン』のタイアップとしてそれなりに名を売りながらその後もインディーズ曲のシングルカットや新曲をリリースし続け、2000年の間に6枚ものシングルを発売。「Rhythm」の発売中止などがあったもののその集大成として年明けにこのアルバムがリリースされました。

その6枚のシングル全曲をはじめ、発売中止の憂き目に遭った「Rhythm」などのアルバム曲、あと「夏の幻」のシングルバージョンのアレンジがパクリとか言われたから作り直したであろう別バージョンがシークレットトラック(アルバムパッケージのスリーブにだけ記載されてなくて中のブックレットとかにはちゃんとバージョン名だのクレジットだのが載ってる)として収録されたこのアルバム。アコギやパーカッションを多用しながらシンセサイザーなどもふんだんに使っており「ネオアコ」だなんだと言われた時期のアルバムですせいぜいネオアコっぽいのは3rdか4thくらいまでな気はする、この辺ですでにかなりポップだしつぎの5thは……

 

1. 水のない晴れた海へ ★★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:Miguel Sá Pessoa)

トップバッターにしてアルバムのサブタイトルとなっている曲はパーカッション、アコギ、ピアノとアコースティックな雰囲気で静かに始まって頭サビに入ると一転、4つ打ちの打ち込みドラムがタイトに刻まれる緊迫感のあるサウンドに。人魚姫をモチーフとしている歌詞ですが、この時期は特に「死」だとか「孤独」だとかそういうことがテーマの歌詞が多い! 高音部ばかりを奏でるピアノもキラキラとかいうよりもう亡骸を葬送する音の様ですよね。んで、それがエンディングに向かうにつれだんだんと激しくなっていくのがもう「どうぞこちらの世界へ!!!」って感じで、そんでさらにメジャー最初のアルバムの1曲目にこの絶望的な曲をもってくるってのがすごい。さんざん盛り上がった後にコーラス(このコーラスがめちゃくちゃ凝ってる)以外フェードアウトさせてコーラスだけでぷっつり終わるのなんか事切れてるとしか言いようがない。この世界観の作りこみはすごいわ……。

 

2. 君の家に着くまでずっと走ってゆく ★★★★

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:Miguel Sá Pessoa、古井弘人)

2ndシングル

タイトル表記ではわかりにくいですが、シングルバージョンでこっちのバージョンはたまに出てくるミゲルさんメイン(ていうか1曲目は珍しく古井さんアレンジ参加してない)のアレンジでもったりしたリズムが印象的な穏やかな雰囲気になってます。コード進行とかはそこまで変わってないんですが大サビ部分、もとはEm7→F#m7→G→Aで循環していたところをこのバージョンはEm7→F#m7→G→D→A/C#→Bm→A→G→D/F#→Em7…になっていたりちょこちょこ違うんで面白い。その大サビからラスサビに行かずイントロと同じフレーズでフェードアウトしていくところも大きな違い。どっちかというとこっちのバージョンのが好きです。

 

3. 夏の幻 ★★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

5thシングル

この曲はまず転調が自由すぎる。Dm→B♭→F→Cって普通にFかな~って聴いてたら、突然のA♭。このA♭、トニックなんで単にF→A♭で短3度動いただけなんですけど転調はやすぎやろ!! ついでに言うと二度とキーはFに戻りません、使い捨てが豪快すぎる。AメロからBメロへはFm→(Key=D)G→A→Bmとかいう力業が光る転調、BメロからサビへはG→D→A→(Key=E♭)E♭という唐突すぎる半音上昇。次から次へと平然と転調するもんだから理解が追い付かん。間奏~2BメロもE♭からD♭に行ってまたDに戻すというやりたい放題感、好きだよこういうの。そっからサビへはG→D→A→(Key=E♭)B♭で普通に上がったと思ったらその次がEで「やっぱりそこは上げるのね…」という。進行はハチャメチャですがメロディは普通に殺傷能力抜群でつよい。歌詞もこの曲では七さんとしては「生命」は「ゆめ」であるし、「命」は「まぼろし」であるんです。せつない。

 

4. 二人のロケット ★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

3rdシングル (別アレンジ)

インディーズアルバムからそのままシングルカットしたものをメジャーのアルバムにもそのまま収録するのはまずいと思ったのかドラムとベースが生演奏に差し替えられすごく生き生きしたサウンドになってます、こっちのが好き。といってもやっぱりメロディやらなんやらめちゃくちゃ平坦だしCDで聴くんじゃなくてライブ向き。

 

5. 巡り来る春に ★★★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

希望を抱きそうなタイトルのこの曲ですがそんなものはどこ吹く風。無機質な打ち込みのドラムなんかとともにあきらめにも似た感情が歌われます。「何も手にせずに生まれてきたから このまま世界に終わりを告げたい」だとか暗い、暗すぎる。一聴してピンと来なくてもあとからじわじわ来るタイプの曲。実際割と最近まで空気曲だった、個人的には。

 

6. HAPPY DAYS? ★★★★

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

中盤にいたり、ここでやっと箸休め的な曲。「君」のいる今の幸せをしっかりとかみしめているようなふんわりした内容の曲。なんだかんだ二人の日常を切り取ったようなこんな曲も結構多いです。あとこの曲に限ったことではないんですがコーラスワークが細かすぎる。ハモリだけじゃなくてコーラスのみのフレーズも何声にも重なっててこれそうとう手間かかってんだろうなと。何がすごいってこの曲特別凝ったわけでなく全体的にこの調子という。

 

7. Mysterious Eyes ★★★

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

1stシングル

メジャーデビューのシングル2枚同時発売のうちの一つですが、実質的にこっちがデビュー曲として扱われることが非常に多いです。そういうこともあって代表曲の一つ。バンド全体に漂う暗い雰囲気はこの曲では鳴りを潜めていて終始明るめな余所行きな曲。曲としては非常にシンプルで、大体AとDとEとFm#のコードを行き来してるだけって感じなんですが、実は3回あるサビの終わり方が全部違ってます。こういうところに変化があると聴いていても飽きが来にくくていいですね。

 

8. Rhythm ★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

渋いエレキで幕開ける曲はやはりというかこのアルバムっぽいアコギやシンセ主体のサウンド。ロックよりのミドルテンポなんですがBPM135でなんとこの曲がアルバム内最速。GARNET CROWBPMが100から120前後の曲が非常に多いイメージなんですがそれでもこの天井の低さは驚きですね。一応最速に恥じないかっこいい曲に仕上がってます。

 

9. Holding you, and swinging ★★★★

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

ハーフタイムシャッフルのけだるいR&B風味の曲。サビでは特にファルセットが多用されコーラスも異常に複雑な基本的にゆりっぺの声を堪能するための曲。コーラスワークに目が行き過ぎて歌詞が入ってこない、七さんごめん。

 

10. flying ★★★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

6thシングル

アルバム先行シングルとしては最後発。GARNET CROWパブリックイメージド真ん中な身もふたもない言い方をすれば人が死ぬ系の曲。相手への依存性を存分に感じる曲ですね。サビは高音を多用するメロディになってるんですがこの曲は「Holding you, and swinging」と違って全編通して地声での歌唱。そのことで余計魂の叫びというか捻り出すような情を感じる仕上がり。うーんよくできてるわ……。サウンドとしては後期でやるようなロックな感じ、Aメロのコード進行が何やら変な動きをしてますが自然に流れてるのはさすがですね、クラシックだったら怒られますよこんなの(だがそれがいい)。

 

11. 千以上の言葉を並べても… ★★★★☆

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

4thシングル

このアルバムの収録シングルどころか全シングル並べても圧倒的な地味さを誇る名曲。なんせ2フレーズ繰り返すだけで終わりますからね。ブリッジとかラスサビとかいう概念がない。アレンジも極力さっぱりというか最低限の音しか入ってない、というか入れてないって感じです。2番のAメロだけ唐突に4つ打ちになったり2番サビに関しては音が多めだったりで変化はあるので退屈ではないですね。むしろこのアルバムのシングルでは一番好きです(後述のアレを除く)。二人の別れが描かれていますが、あきらめというか妙にあっけらかんとして前向きな風に見えます。しかし公園で髪を切るというのは普通なことなのだろうか……。

 

12. wonder land ★★★★

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

イントロのアコギリフが印象的な軽快なポップス。一応アルバムの最終曲ではありますがまだ曲が続くので終わりますよ~感はなし。随所に入るファルセットがやはり好き。特に最後、転調してからの「嘘に歪んでしまった愛も」の「に」が最高。サビの構成がなかなか面白くて流れに乗って普通に進行してるかと思ったら後半で急にロックなメロディになります。いやいやなかなかその転換は意外というか斬新。

 

13. 夏の幻 (secret arrange ver.) ★★★★★

(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)

5thシングル (別アレンジ)

パクリと騒がれたので別アレンジ作りました的なやつ。ちょっといじったとかそういうレベルではなく1から作り直されてます。で、このアレンジが本当にいい。この時期にはほとんどなかったがっつりとしたバンドサウンドでアコギよりもエレキが目立ってます。曲構成に関してはイントロと間奏のコード進行がF→Dm→B♭→Cと明るいコード進行に変わってます。逆にせつないのよこれが……。個人的にはこのアレンジは完全体という印象で、切ない歌詞がより一層引き立つというか涙腺を的確に攻撃してくる。GARNET CROWの中でもトップクラスで好きな曲。

 

個人的評価 ★★★☆

明るい曲もそこそこ入っているのになんでかどんよりした雰囲気、アルバム通してのサウンドもかっちりと迷いがない。散々各所で言われていることではありますが、1stにしては方向性が定まりすぎているというかすでに何年も活動してましたけど?みたいな雰囲気さえある1枚。隙がないと言いますか、全部とりあえずパーフェクトに作ったんであとは好きか嫌いかで判断してくれというような言った作品かな。相対的な言い方ではありますが確かにいいアルバムだけどGARNET CROWにはもっといいアルバムがいくらでもあるよね、という印象を抱きます。「夏の幻」シングルバージョン入れんでもよかったんでは?とか。しっかり向き合うとやっぱいいなって思うんですけど。

 

first soundscope?水のない晴れた海へ?

first soundscope?水のない晴れた海へ?

 

DREAMS COME TRUE 1st Album『DREAMS COME TRUE』

1989年3月21日発売

 

2019年になり、30周年を迎えたポップスバンドDREAMS COME TRUE。このファーストアルバムと本作品収録曲をシングルとして切った「あなたに会いたくて」を同時発売してデビューしました。ヒットを飛ばすようになる以前の作品なので存在的にはかなり地味で、後々知名度の高い曲はせいぜいベストに何回も収録されている「悲しいKiss」くらいですかね。デビュー曲は知名度としては低い気がする。発売後には「APPROACH」をシングルカットしています(市場に出回った数が少なすぎて全然入手できない)

すごく細かいことですがグループ名の表記はデビューしてしばらくは曖昧で「Dreams Come True」と「DREAMS COME TRUE」が混在してて(前者のほうが使用頻度が高めだった)、5thアルバムの『The Swinging Star』あたりから徐々に「DREAMS COME TRUE」で統一されてくるようになりました。ここでは「DREAMS COME TRUE」で統一して表記させていただきます。それとドリカム作品では作詞を「作詩」と表記していますが他との統一で「作詞」と表記させていただきます。

 

1. Hi, How're You Doin'?

「Hi, How're You Doin'?」って吉田美和が言うだけ、それだけ。

 

2. APPROACH ★★★★

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

2ndシングル (リカット)

実質1曲目のこの曲、軽快な打ち込みドラムのパターンやデデン!なオーケストラヒットが印象的。ハイハット刻みすぎじゃね? サビでは初期に特に多かった英語コーラスがすでに炸裂しています、ついでにラスサビはメインの歌詞も英語。歌詞はクールな彼を振り回したい女の子がかわいらしい。基本歌詞が暗いこのアルバムの清涼剤です。ド頭だけど。シンプルに構築された音が重なってなかなかに気持ちのいい曲です。各種ベストアルバムにはほとんど選曲されない地味でかわいそうなシングルですが25周年のツアーでは久々に演奏されています、忘れてなくてよかった

 

3. Don't You Say… ★★★★

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

1stシングルカップリング (別ミックス)

レコード風のSEでピアノから入ってそのあと「オォォオォオォォオォオウドンチュセエエエエエェエエエエエエ(ry」がいきなりインパクトありますがシングルバージョンにはないそうです。(やはりシングルが出回ってなさすぎるので確認できん…)もったりしたシャッフルビートとひたすら繰り返すベースラインが特徴の曲です。Bメロの忙しないベースもほんとすき。

 

4. あなたに会いたくて ★★★★☆

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

1stシングル

記念すべきデビューシングル。デビュー曲のわりにいまいちパッとしない扱いを受けがちですが2015年の集大成的なベストにはちゃんと収録されて安心。サウンドがドリカムとしてはかなり珍しいロックアプローチの曲です、ドリカムなのにギターめっちゃうるさい。ドリカムのかっこいいって基本ファンクなんでこういうの結構うれしいんですよね。2010年前後は割とギターの主張激しい曲多いですけど。ブラスが前面に出てくるあたりはドリカム感満載です。

 

5. 週に1度の恋人 ★★★☆

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

2ndシングルカップリング (リカット)

いわゆるハーフタイムシャッフル。16分が跳ねてる曲ってつい踊りだしたくなりますね。ドラムやキーボードの打ち込みが基本的に同じ音色なんで下手したら飽きてくる頃合いですが、ブラス隊が生で頑張ってるのでそこは聴きどころ。ってのはこのアルバムの傾向なんだけど。吉田美和中村正人に初めて歌ってきかせた曲の1つということで一応シングルカップリングでリカットされてたりはしますが如何せん地味な立ち位置。とはいえ2016年に出た裏ベストに初めてベスト盤収録された上に再録されているということで重要な曲という認識はありそう。オリジナルのリマスタリングも聴きたかったけどね。

 

6. カ・タ・ガ・キ ★★

(作詞:吉田美和/作曲・編曲:中村正人)

1stでは唯一の中村正人作曲。当時は自分の作った曲以外に詞を付けるのが難しかったようで次作くらいまでは吉田曲が非常に多めです。曲自体はなんというか普通に普通過ぎるというか……、ラスサビ直前のシャウトはいいですね。

 

7. エメラルドの弱み ★★★★

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

エメラルドは5月の誕生石(=吉田美和の誕生月)。女友達の何人かが同じ人を好きになったこと、自分もその人を好きになったことは言い出せないこと、このあたりを誕生石に転嫁して(言い方が悪い)揺れ動く心を歌ってますね。ていうかそんだけ人気が集中するその意中の相手何者……。どうってことない曲ではあるんですが、「デデデデデデデデデー」をはじめとして音のフレーズが素敵な個所が多くて結構お気に入り。最後のBメロとサビの間にこのフレーズを挟んでくるあたりにセンスを感じます。

 

8. それでも恋は永遠 ★★☆

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

恋について歌った曲はドリカムでは定番です。サウンドに関しては「実にファーストアルバムっぽい」として言えないですけど。「ちょっとHなUnderwear頬を上気させてる」のインパクトが強すぎて他の歌詞があんまり入ってこない。

 

9. IT'S TOO LATE ★★★☆

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

このアルバムでは一番ファンキーなアレンジ。ベースの動きがえげつなすぎる。なんだこれ。この曲はどうしてもサウンドがすごく細かくて面白いんでそっちに耳がいくんですけど歌詞はこのアルバムに入ってるだけあって非常に切なくて、忘れられるように愛さなかったから余計に悲しい的な見方は新鮮というか。このサウンドと歌詞が同居してるのはなかなかすごいんですが作曲自体は吉田美和という驚き。

 

10. 悲しいKiss ★★★

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

そして温度差がすごい大バラード。別れ際を繊細に表現した詞は何度もベストアルバムに収録されるのも納得のでき。ホーンが目立つアルバムの中でもサックスソロがインパクト大な曲。

 

11. STILL ★★★★★

(作詞・作曲:吉田美和/編曲:中村正人)

ラストはシャッフルのミドルテンポ。かなり未練を残したまま別れてますねこの曲の主人公は。それでも会える機会があるならそのほうがいいというところがほんと健気。曲のほうは構成がなかなかカオスでFのキーで頭サビが始まってそのあと唐突にD♭に移行、D♭→E→D♭→Eと進行して最後にFに戻るんですがこの曲の内容でこれをやるのかっていう。個人的に今作ベストトラック。

 

個人的評価 ★★★★☆

打ち込みの音源の関係でさんざん似通った音色だ云々といっておりますが、裏を返せば非常に統一感があってアルバム通して聴きやすいという点が気に入ってて特別好きでもない曲も含めて1枚そのまま聴くことが多いアルバム。統一感に関してはあえて悲しめの曲ばかり選曲されているというところもありますが。その中で「APPROACH」みたいにポップだったり「IT'S TOO LATE」みたいにファンキーだったりとしっかりバラエティに富んでいて今後の作品群の骨組みがすでに出来上がっている感があります。EPIC時代の8枚のアルバムの中では一番好き。

 

ドリームズ・カム・トゥルー

ドリームズ・カム・トゥルー